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滝田 雅俊
TAKITA MASATOSHI

滝田 雅俊

株式会社RECORE 代表取締役

「企業の町医者」として、
中小企業に血を通わせる。
中小企業の多くが、経営改善の手前で体力を失っている。そんな現場に「企業の町医者」として飛び込んでいるのが、株式会社RECORE代表取締役の滝田雅俊氏だ。経営指導と無利息の資金融通を一体で提供し、デフォルトゼロという実績を築いている。経営コンサルティング事業を通じて「経済圏」を設計するという、その哲学に迫った。
滝田 雅俊
画像はイメージです。
指導と資金を一体化する、独自の事業改善モデル

社会の目まぐるしい変化によって、中小企業の経営課題は、かつてないほど複雑化している。だが、支援の仕組みは追いついていない。中小企業白書では、金融機関による経営支援や、金融機関との継続的な対話の重要性が指摘されている。一方で、現場では自社の課題を十分に把握しきれないまま、資金繰りの悪化や事業縮小に直面する企業も少なくない。

この社会問題に切り込む経営者がいる。滝田氏は、ハンズオン型経営コンサルティングという自らの事業を「企業の町医者」にたとえる。会議室でヒアリングするだけのコンサルではない。クライアントの事務所に足を運び、評価制度の運用から就業規則、タイムカードの打刻状況まで踏み込んで診る。人件費の推移や仕組みの劣化、潜在的な労務リスクまで、企業の全身をチェックする。「企業は生き物です。金融は血管で、お金は血流。全身をくまなく診て、血が通うようにすることが私たちの仕事です」と滝田氏は語る。

RECOREの事業は、単に「処方箋」を出すだけでは終わらない。経営改善の過程で資金が必要になれば、無利息で融通する。経営指導と資金支援を一体で提供できることが、同社の最大の特徴だ。それは、本来なら銀行が担うべき役割にも見える。多くの企業の内情を見て、経営改善への道筋を知っているのだから。

しかし、銀行が融資先の経営に介入することは、融資の継続を盾にした不当な要求、すなわち「優越的地位の濫用」と見なされるリスクが生じる。
そのため、消極的にならざるをえないのだ。一方、RECOREが実施しているのは、あくまでも無利息の資金融通にすぎない。
同社の収益源は利息ではなく、クライアント企業の成長にある。事業規模に連動した顧問料や、企業間マッチングの手数料が、RECOREの収益となっている。そして数年後、成長したクライアントが余剰資金を投資することによって、新たな企業を育てる原資が増えていく。

かつて渋沢栄一は、第一国立銀行を起点に約500の企業を設立・育成し、多くの人々の資本と力を合わせて公益を追求する「合本主義」によって、近代日本の産業基盤を築いた。規模こそ違えど、RECOREが描く経済圏は、その思想と地続きにある。

このビジネスモデルの信頼性を裏付けるのが、実績だ。RECOREが過去5年で支援した企業は、のべ約150社。現在も約60社の顧問先を抱える。
月商が約50万円だった個人事業レベルの企業を、2年弱で月商数千万円規模に成長させたこともある。そして何より、融通した資金が返済不能に陥ったケースは1社もない。「デフォルトゼロは私の誇りです」と滝田氏は微笑む。

滝田 雅俊
諦めない経営者を、この国に増やすために

経営者とも投資家とも重なりつつ異なる「プラットフォーマー」としての滝田氏の感覚は、幼少期から培われたものだ。経営者一族の3代目として、与えられる小遣いは少なく、自分で増やすように言われていた。
小学5年生のときには、カードゲームの大会を主催し、参加費の徴収やカードの売買で稼げる仕組みを構築していた。
「『お金は使って増やすもの』というのが、子どもの頃から受けてきた教育です」

大学卒業後は信用金庫に就職。その目的は「ボロボロの経営を見る」ことだった。企業が傾く原因と、立て直しの実際を、自らの目で確かめたかったのだ。融資審査から経営再生支援まで幅広い業務を経験し、工場の製造ラインから財務諸表の裏側まで、中小企業の現場を徹底的に見た。
同時に、金融機関が経営改善のノウハウをもちながらも、それを生かしきれない制度上の壁に気づいていく。
資金繰りに追い詰められ絶望した経営者に、「売上があるなら道はある」と、債権整理から立て直しの方策を示したが、手を差し伸べられる範囲には限界があった。「もっとできることがあったのではないか」という悔しさが、独立への原動力となった。

現在、RECOREは経営指導部門と、資金還流を担う金融部門との分業体制を構築中だ。滝田氏自身はコンサルの第一線から退き、資金循環の仕組みづくりに軸足を移していく。それでも対面指導へのこだわりは揺るがない。
「AIが正解を言ってくれる時代になったとしても、『ああ、そう』で終わる人がほとんどでしょう。実際の行動は、生身の人間の問いかけによって生まれるのです」

金融機関が手を差し伸べきれなかった中小企業に、血の通った指導と資金を届ける。滝田氏の視線は、1社ずつの支援にとどまらない。育てたクライアントが投資家側に回り、また次の経営者を引き上げていく。その連鎖こそが、この国の中小企業を再び強くする原動力になると信じている。
「まだ日本を諦めないでほしい。稼ぎたいから経営するのではなく、課題に大義をもって立ち向かう。そういう経営者が一人でも増えてほしいと思います」
滝田氏が描く「前向きな経済圏」は、日本経済の毛細血管に新たな血流を送り込む挑戦だ。

滝田 雅俊

株式会社RECORE 代表取締役
https://www.recore-consulting.com/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。