指導と資金を一体化する、独自の事業改善モデル
社会の目まぐるしい変化によって、中小企業の経営課題は、かつてないほど複雑化している。だが、支援の仕組みは追いついていない。中小企業白書では、金融機関による経営支援や、金融機関との継続的な対話の重要性が指摘されている。一方で、現場では自社の課題を十分に把握しきれないまま、資金繰りの悪化や事業縮小に直面する企業も少なくない。
この社会問題に切り込む経営者がいる。滝田氏は、ハンズオン型経営コンサルティングという自らの事業を「企業の町医者」にたとえる。会議室でヒアリングするだけのコンサルではない。クライアントの事務所に足を運び、評価制度の運用から就業規則、タイムカードの打刻状況まで踏み込んで診る。人件費の推移や仕組みの劣化、潜在的な労務リスクまで、企業の全身をチェックする。「企業は生き物です。金融は血管で、お金は血流。全身をくまなく診て、血が通うようにすることが私たちの仕事です」と滝田氏は語る。
RECOREの事業は、単に「処方箋」を出すだけでは終わらない。経営改善の過程で資金が必要になれば、無利息で融通する。経営指導と資金支援を一体で提供できることが、同社の最大の特徴だ。それは、本来なら銀行が担うべき役割にも見える。多くの企業の内情を見て、経営改善への道筋を知っているのだから。
しかし、銀行が融資先の経営に介入することは、融資の継続を盾にした不当な要求、すなわち「優越的地位の濫用」と見なされるリスクが生じる。
そのため、消極的にならざるをえないのだ。一方、RECOREが実施しているのは、あくまでも無利息の資金融通にすぎない。
同社の収益源は利息ではなく、クライアント企業の成長にある。事業規模に連動した顧問料や、企業間マッチングの手数料が、RECOREの収益となっている。そして数年後、成長したクライアントが余剰資金を投資することによって、新たな企業を育てる原資が増えていく。
かつて渋沢栄一は、第一国立銀行を起点に約500の企業を設立・育成し、多くの人々の資本と力を合わせて公益を追求する「合本主義」によって、近代日本の産業基盤を築いた。規模こそ違えど、RECOREが描く経済圏は、その思想と地続きにある。
このビジネスモデルの信頼性を裏付けるのが、実績だ。RECOREが過去5年で支援した企業は、のべ約150社。現在も約60社の顧問先を抱える。
月商が約50万円だった個人事業レベルの企業を、2年弱で月商数千万円規模に成長させたこともある。そして何より、融通した資金が返済不能に陥ったケースは1社もない。「デフォルトゼロは私の誇りです」と滝田氏は微笑む。