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髙須英治
TAKASU EIJI

髙須英治

株式会社パラダイムシフトIDNet work’s 代表取締役

「Giver」の精神で、人を惹きつけるビジョンと愛に溢れたリーダーの育成に尽力
変化や競争が激しい現代のビジネスにおいて「紹介」は見込み客獲得の有効手段だが、信頼に足る関係性は一朝一夕で築けるものではない。独自のコミュニティ形成により経営支援に尽力する髙須英治氏の野望とは。
髙須英治
画像はイメージです。
自分との信頼関係を取り戻す、受講料無料の自己探求プログラム

「ビジネスマフィアンクラブ」――代表の風貌も相まってやや物騒な印象を受けるが、これはれっきとした経営層向けオンラインサロン。人生と向き合い、「与えること」を通して強固なつながりを築くことを目的としており、代表取締役・髙須英治氏の柔和な笑顔のギャップにも驚かされる。
株式会社パラダイムシフトIDNet work’sは、企業の現状分析や経営戦略を立案する経営支援のエキスパート。財務諸表の数値改善を目的とした「財務営業コンサルティング事業」、プログラム参加者が互いの顧客や知り合いに商品・サービスや人脈を紹介することでビジネスを拡大させる仕組みを提供する「リファーラルマーケティング事業」、発信力がないことが原因で伸び悩んでいる中小企業をサポートする「コンセプトメイクブランディング事業」などを通して、前向きな思考や成長意欲をもったリーダーの育成に貢献している。
その一環であるビジネスマフィアンクラブ(BMC)は2023年春に開設。幼少期から現在までに形成された価値観を見つめ直す12週間の自己探求プログラムを通じ、自分の強みや目標設定、セルフブランディング、プロモーションの方法などを学んでいく。
「挑戦する前に諦めてしまうなど、経営者でも自分への信頼や愛が足りていない人は大勢います。目先のビジネスチャンスを掴もうとするのではなく、自分を信じられなくなったきっかけを振り返り、過去と向き合わない限り、本質的な解決策は見つからないと考えています」と髙須氏は言う。
自己探求は一人でもできるが、やはり他者との関わりの中で気づかされることは多い。BMCは1クラス約20名、ファシリテーターと呼ばれる進行役が1名とサポートクルーが複数名参加。一緒にワークを行うので、客観的な視点から思いもよらない気づきを得たり、心から信頼できる仲間に出会えたりするメリットもあるという。通常のセミナーなら60万円程度かかる内容を、なんと無料で提供。そこには、「市場全体をより良くすることがリファーラルマーケティングの本質」という髙須氏の信念がある。
「会員同士の中で取引が生まれたとしてもバックマージンの類は一切受け取りません。皆さんも『中抜きされる』と思った時点で本当に大事な人脈は紹介しないですよね。『愛』と『成功』のリーダーを世の中に増やして世界を変えること、これが私の目標で、会社として収益を得るのは本業のビジネスでやるべきこと。単なる案件紹介ではなく、一生ものの人脈を開拓できるコミュニティをつくりたいと思っています」
自分や他者と心から向き合い、信頼関係を築くことは容易ではない。最初は受講料無料につられてやってきた人も、無料だからこそ途中から来なくなることが多いという。なぜならBMCの講座は「手っ取り早く儲ける方法を教えてほしい」と考える人にとっては効率が悪かったり、他者からの介入により居心地が悪くなったりするからだ。「自分の考えをアウトプットすることは人への貢献。Giver(他人に惜しみなく与えられる人)精神がなければ継続しないでしょう」と髙須氏は言う。

髙須英治
万博に向け、“大和魂”を海外経営層へ発信

BMCの教えは家庭にも活かせる。相手を信頼し尊重するということは、互いの価値観を交換すること。つまり、「あなたの大事にするものを私も大事にする用意がありますよ」と伝えることだ。髙須氏が妻にこの話をしたところ、最初は真剣に取り合ってもらえなかった。しかし、1カ月ほど経ったある日、「祖母から受け継いだ和装を大切にコレクションしており、日本の文化を広く伝えていきたい」と打ち明けられた。髙須氏が背中を押したことで妻は大学院で10年間日本文化の研究に従事し、2024年3月に博士号を取得したという。
「夫婦関係が劇的に変わりました。以前の関係のままでいたら、妻は自分の夢に向かうことはなかったかもしれません」
小さな島国である日本の良さは、こうした仲間同士で助け合い、励まし合う文化。いざというときに一つになれる絆の強さは、日本人の誇りとして海外の経営者にも強く発信すべきだと髙須氏は考えている。キーポイントは2025年に開催を控える大阪・関西万博。ここに先駆けて、2024年中に自身2冊目となる書籍を英語で出す予定だ。
「日本の国際競争力は低下していますが、かつてアジアをリードした国としての誉はまだ眠っているはず。政権頼りではなく国民一人ひとりが未来をつくる気持ちをもてば、その尊厳を取り戻すことができるはずだ!」と熱く語る髙須氏。その表情は実にエネルギッシュだが、悩んだり、落ち込んだりすることはないかと尋ねると、ニコリと微笑みこう答えた。
「息子が12歳で亡くなったとき、気持ちとしては落ちるところまで落ちた。それを思えば、落ち込んでいる暇なんてありません。与えられている毎日、生かされている毎日だから。『あいつの分まで生きてやろう』っていう、ただそれだけですね」
ポジティブな思考や成長意欲、人への感謝と応援する気持ち――誰しも無意識の中に眠っている心を呼び覚まし、成功をサポート。それが社会全体に大きな利益をもたらすことを信じて進み続ける。天国で見守る最愛の息子とともに。

髙須英治

株式会社パラダイムシフトIDNet work’s 代表取締役
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※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。