未来への投資にも活用できる第二の価値とは。
福岡市南区に拠点を構え、新築の注文住宅や事務所、住宅や店舗の改装・リノベーションなどを手掛けるFirst one.デザイン。「Only You Design」をテーマに、住む人の個性に合わせて設計する完全オーダーメイドの家づくりを得意とする。過去には、40畳のリビングに木を植えるといったユニークな住まいも設計した。そのため、比較的高価格の注文住宅を扱うことが多いが、近年力を入れているのがSECOND VALUE HOUSE(セカンドバリューハウス)と名付けた、延床面積16~18坪の木造平屋住宅である。
「これからの時代、大きな家ばかりをつくっていいのだろうかと疑問に感じたのがきっかけです。戸建住宅はファミリー層が買うイメージが定着していますが、一人暮らしの人も分譲マンションは購入しています。それなら単身者が住みたくなる戸建住宅をつくればいいのではないかと思ったのです。将来、結婚するかどうかは分からないが、今の生活を存分に楽しみたい。しかし、将来のことも不安に感じている、そんな人たちに向けた戸建住宅がセカンドバリューハウスです」
16~18坪(52.89~59.50㎡)の広さに、趣向を凝らした5つのプランを用意。女性向けのSOLARIA(ソラリア)は、防犯性を高めるために外壁に大きな窓を設けず、内側から自然光を取り込める中庭を配置した。中庭の周囲を回遊するように間取りがつくられ、1台のエアコンですべての空調をまかなえるように設計されている。他にもサウナルームを設けたOASIS(オアシス)、ビルトインガレージが付いたGARAGE(ガレージ)、秘密基地のように使えるロフトがあるGADGET(ガジェット)、動画配信するための防音ルームを備えたSTREAM(ストリーム)と、遊び心を取り入れた個性的なデザインになっているのが特徴だ。
「ポイントは柔軟な住まい方に焦点を当てたことです。一生住む必要はなく、結婚して子どもが産まれて手狭だなと感じたときは、売却してもいいし、賃貸に出してもいい。マンションよりも戸建住宅の方が賃貸料は高いので投資にもなるわけです。そして、子どもが独立して家を出たら再び住むという選択肢もあります。今を自由に楽しく過ごしながら、将来の備えにもなるのがセカンドバリューハウスで、第二の価値という意味で名付けました」
間取りも仕様も決まっており、建物の価格は1750~1800万円くらい。必要な土地が30坪だとすると、坪単価60万円の立地だと土地代は1800万円となり、合計4000万円未満になる計算だ。売却しても賃貸に出してもメリットが生まれるように建物の価格を決定し、野村氏によると坪単価60~70万円くらいの場所がおすすめだという。利便性がよく、セカンドバリューハウスの魅力を十分に享受できるエリアは、福岡市内にはまだまだ多いというのが野村氏の見立てだ。
「今は福岡の新築マンションも高騰し、築年数の古いマンションを手頃な価格で購入してリノベーションする手法も流行っています。しかし注意したいのは、築40年以上の古いマンションは大規模修繕に必要な金額が足りなくなり、毎月の修繕積立金が高騰する可能性があること。さらに深刻化すると、マンションの価値が暴落することもありえます。対して、戸建住宅は耐用年数の問題があるにせよ、土地として売却できる点が大きな強みです」