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噛み合わせと連動する上部頚椎の歪み
京都大学総合人間学部を卒業後は、学生時代からアルバイトをしていた会社に就職。Webエンジニアとして活躍するも、「体調を崩して入院することになり、かねてからの葛藤であった家業を継ぐために、歯科医師になることを決めた」と宮野氏は話す。
編入した大阪大学歯学部を首席で卒業後は、同大学の附属病院で研修を積み、その後は父が開発したMTコネクターの技術を受け継ぐため、歯科医師免許のみならず歯科技工士の免許も取得。父が創設した歯科技工所に併設されたみやの歯科医院で院長を務める傍ら、オーラルリリース協会やカイロプラクティックオフィスを開設するなど、「歯身一体」の理念をさらに深めた包括医療に取り組んでいる。
「虫歯や歯周病を治療したり、入れ歯などの義歯治療を行ったりと、歯の状態を診ることだけにとどまっていたのが従来の歯科治療。対して、私が提唱するオーラールリリースでは、噛み合わせと上部頚椎の歪みを正しい状態に戻すことで、本来の人の身体がもつエネルギーの流れを滞らせる原因となっている鎖を外し、自然な状態へと戻すことを目指しています」
歯科医師として多くの患者と向き合う過程で宮野氏が確信したのが、「噛み合わせと上部頸椎は一体のものである」ということ。
「首の一番上にある第1頚椎と第2頚椎からなる上部頚椎には脳と全身を結ぶ重要な神経や血管が集中し、その歪みはあらゆる身体の不調に繋がります。『歯身一体』の哲学のもと日々多くの患者さんを診ているうち、そうした上部頚椎と噛み合わせが連動していることに気付き、噛み合わせを修正することで上部頚椎の歪みや動きを整えることができるとわかったのです。また、歯科医療だけでなくカイロプラクティックも学び、治療データの分析など独自の研究を重ねた結果、上部頚椎の歪みの調整から噛み合わせにアプローチできることもわかってきました。そこで宮野歯科に併設する形で、上部頚椎を専門とするカイロプラクティックオフィスを開くことにしたのです」
歯や身体を自然な状態に戻す手助けをする
宮野氏の歯科医院には歯科技工所、そして上部頚椎専門カイロプラクティックオフィスまでが1カ所に揃い、噛み合わせを原因とするあらゆる不調に対応したトータルな治療やアドバイスを行える。
「噛み合わせについては一般的な咬合紙でのチェックだけでなく、必ず模型を作って実際の動きを見ながら適正な噛み合わせを確認していきます。また、本来の自分の歯のような正しい噛み合わせで噛める義歯を追求して開発されたMTコネクターはもちろん、上部頚椎カイロプラクティックでは必須となるレントゲンやニューロカロメーターといった機器での測定結果を、歯科治療などに活かすことができるのも当センターならではのメリットです」
みやの歯科医院ではあえて保険診療の適応のない自由診療とし、独自の月額制の会員制度を採用しているのは、より良い歯科治療の実現と患者の通いやすさを考えてのこと。
「例えば総入れ歯にしても部分入れ歯にしても、一般的な保険診療の範囲で一人ひとりの患者さんに完全に適合したものを作るのは限界があり、本来であれば定期的なメンテナンスも必要です。そもそも従来の入れ歯には、残っている歯にダメージを与えてしまうなど多くの欠点があり、MTコネクターはそうした欠点を補うべく父が開発したもの。ブリッジのように周囲の健康な歯を削る必要もなく、インプラントのような手術も不要で、入れた瞬間から自分の歯のようにピーナッツやスルメを噛むことができる。当院での義歯治療にはそんなMTコネクターを使用し、定期的な咬合チェックやメンテナンスを気軽に行っていただくことで、長期にわたり常に良い状態で噛めることを保証しています」
もともとの人の歯の形や並びには自然の法則があり、歯や噛み合わせなどをそうした正しい状態に戻して身体が100パーセントの力を発揮できるようになれば、不調も自然と治っていく。それが宮野氏の治療の根幹にある考え方であり、「そのための手助けをするのが私の役割」と話す。
「今後は、高い技術や治療哲学への共感が必要となるMTコネクターのさらなる普及に加え、オーラルリリースの普及を目指し、技術セミナーや講演活動なども行っていきます。また、カイロプラクティックや最先端の量子物理学的機器を導入した未病サロンを展開し、人の身体の状態やエネルギーの流れを自然なものにするサポートなど、歯科医療の枠を超えた活動も行っていきたいと考えています」
歯科医であり歯科技工士であり、そしてカイロプラクターでもある宮野氏だからこそ、切り拓くことができる新たなる地平。「歯身一体」の哲学からスタートした二代に渡る挑戦は、多くの人々を救う可能性を秘めている。