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栗原秀行
KURIHARA HIDEYUKI

栗原秀行

栗原眼科病院 院長

先端医療への挑戦と人材育成で
眼科業界の発展に貢献。
全国から眼の悩みを抱える多くの患者が訪れる、行列のできる眼科病院。それが埼玉県羽生市にある栗原眼科病院だ。地域の患者たちに選ばれる続ける病院はいかにして生まれたのか。自らも名医として知られる栗原秀行院長に、病院経営の理念や若き医師たちへのアドバイスなどを聞いた。
栗原秀行
※画像はイメージです。
大きく進化する業界で、常に最先端の医療を実践

大学病院の勤務医や講師を経て、1984年に独立した栗原秀行氏が、自らの地元である埼玉県羽生市に開設した栗原眼科病院。年間の手術数は約3000例。白内障治療のみならず、各種緑内障や網膜硝子体、外眼部各種領域や涙器、角膜移植など、眼科領域のすべてにおよぶ外科手術などの治療に果敢に挑戦し、長年に渡り先端的な臨床成績を積み上げてきた。そんな揺るぎない実績こそが、同院の強みであり特徴だ。

「眼科専門病院というとその多くは白内障治療を前面に掲げますが、それでは患者さんのニーズは満たせません。ですから私は開業にあたり、眼科領域のすべてを満たすオールラウンダーを目指そうと考えました。眼のことで困っている患者さんのニーズのすべてに応えていく。医師としても病院としてもそのために挑戦を重ね、現在までステップアップし続けてこられたことが当院の誇りです」

開業から37年。自身が眼科医となってからは40余年の歳月が流れた。栗原氏はその間の業界の変化を、「たとえば眼内レンズや硝子体手術などは、当時はその可能性に言及するだけで犯罪的とさえ言われていました。そうした手術が、多くの課題を解決することで急速に適応拡大し、いまでは当たり前に行われるようになっています。いわば飛躍的な発展を遂げ、多くの人が魅力を感じて業界への参入を果たしてきた。そうして新たに参入した眼科医や医療関係者たちと我々が切磋琢磨してさらに技術を磨き上げ、大きく治療法などを進化させたのがこの数十年の眼科業界だと思います」と振り返る。

同時に栗原眼科病院でも、医師や看護婦などすべてのスタッフが研鑽を欠かさないことはもちろん、ときには手術のための機材開発を行うなど、進化する業界にあって常に先端的な治療を行える体制を追求。さらにはモニターを通じて患者の手術状況をリアルタイムに共有できる機器の導入など、患者やその家族のニーズに応える取り組みを他に先駆けて実践してきた。

栗原秀行
眼の悩みを抱える人のために、医師として何ができるのか

現在の病院の体制は、常勤医師6名に非常勤医師11名。院長である栗原氏が同院の医師たちに折にふれて送るのは、「臨床の基本を大切にしよう」というアドバイスだ。

「100人の患者さんがいれば100人の症例があり、そこには100の真実がある。だからこそ臨床の場では、とにかく丁寧に話を聞いて、丁寧に答えることが大切です。当院の先生たちにはそうした臨床の基本を重視し、自分が発する言葉を常に磨いておいて欲しいと思っています」

それぞれに高い志をもって眼科医として研鑽を続ける同院の医師たち。名医として知られる栗原氏の手技を受け継ぐ彼らの技術を、「感動する程に美しい手術をする」と栗原氏は評価する。とはいえ、特に難しい手術など、内部の医師の手に負えない場合は、外部からスペシャリストを召喚することも厭わない。

「そうしたエキスパートの治療を見学して勉強することも大事ですが、同時に医師がそれぞれのセンスや限界点を知ることも必要です。当院にも他院から多くの患者が送られてきますが、それも他院の先生が自らの限界点をわかっていらっしゃるから。大事なことは、そこで患者を送られてきた方の医師が、きちんと危機感を共有できるかどうか。そして究極的にどうすれば患者さんのためになるのかを考え抜き、そうした治療を実現するために、知識や技を日々磨き上げておくことが重要になるのです」

そう話す栗原氏のもとで育ち、眼科医として独立した医師はすでに約40名を数える。他にも多くの若者を病院のスタッフとして雇用する傍ら学校へと通わせ、看護師や検査技師として育て上げるなど、人材輩出を通じて医療の世界への多大な貢献を続けている。

「近年、精度が上がっているICL治療(眼内コンタクトレンズ)など、病院として新しい治療にも注力していくと同時に、個人的には目の悩みを抱える人に向けた市民講座などにも取り組んでいきたいと考えています。また、高齢化によって現代では多くの人が眼の悩みを抱えるようになり、不確かな効果を喧伝するサプリメントや治療法もたくさん出てきています。そうした情報に惑わされないように人々を導いていけるような、眼科医としての正しい情報発信も積極的に行っていきたいですね」

常に臨床の最前線を見つめ、いまも積み重ねられる名医の知見。栗原氏が発するメッセージは、今後も多くの人の眼の健康に寄与することだろう。

栗原秀行

栗原眼科病院 院長
http://www.kurihara-eye.or.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。