Powered by Newsweek logo

近藤健太
KONDO KENTA

近藤健太

株式会社REGUMU 最高経営責任者兼会長

社員と家族のように密な関係性を築き、
人材派遣会社を中心としたグループを形成。
世代間のさまざまな価値観の違いや働き方の多様化、ITツールの普及などによって、職場の希薄化した人間関係が問題視される昨今。そのような時代の中で、人と人との出会いを大切にして成長してきた会社が愛知県にある。CHRグループの代表であり、株式会社REGUMUの最高経営責任者兼会長を務める近藤健太氏は、「窮地に立たされたとき、多くの人に手を差し伸べてもらいました。恩返しのために人を大事にしてきた結果、自然にグループが形成されたのです」と半生を振り返る。
近藤健太
画像はイメージです。
挫折した経験から、周囲の人を大切にするという決意

名古屋市に隣接する、西春日井郡豊山町を拠点とするREGUMU。運送会社への人材派遣業を中心に、人材紹介、物流センターの業務請負などを行う。もっとも多いのは、2トン車から大型車までのトラックで荷物を配送するドライバーの派遣で、全員を正社員として雇用。未経験者にも門戸を広げ、自動車免許の取得費用を会社が負担し、運転研修を行うなど、充実した支援制度を設けている。

「求職者の中には、将来よりもまず今が大事という人もいるため、寮も用意していますし、給与の前借もできるようにしています。単なる福利厚生の制度として設けているだけではなく、堅実な人生を歩んでもらうためのサポートとして行っています。社員のステップアップには、惜しみなく協力したいからです」

近藤氏が周囲の人々を大切にするようになったのは、若き日に体験した挫折が深く関係している。甲子園を目指して野球に明け暮れる高校生活を過ごし、卒業後に名古屋市のホテルに就職。顧客を迎える仕事を通じて、自分もいつかは迎えられる側になりたいと起業を決意した。数年後、輸入車販売の世界で修業を積み、独立して自身の会社を立ち上げた。

「輸入車販売業は軌道に乗り、当時過熱していた中国の投資案件にも関わるようになりました。ところが、中国でのビジネスはトラブルによって撤退。お金も人間関係もほぼすべてを失いましたが、私の理解者だった仲間によって再起を果たすことができました。それまでは利己的な商売しかしていませんでしたから、今後は恩返しの意味を込めて周りの人たちを大切にしなければいけないと、心を入れ替えることができたのです」

近藤健太
“人材の輪”で事業を広げていく

2008年に飲食業(株式会社BZES)から再出発した近藤氏は、再び輸入車販売業(K-NINE)を立ち上げ、運送関係の仕事をしていた後輩からの依頼がきっかけでREGUMUを設立。こうしてCHRグループが形成され、その後も友人が代表を務める空間プロデュースの会社(グローバルAI株式会社)をグループに招いた。さらに、REGUMUの若手社員の独立を支援するために、新たな輸入車販売会社(株式会社MON REVE)を設立。REGUMUの新事業として婚活サポート業(MarriageBank)もスタートさせた。

「各会社と事業部には代表者がいますが、ビジネス的な繋がりではなく、人と人との強い絆で成り立っています。同じ目標に向かって頑張ってきた中で、単なる仕事仲間を超えた家族のような関係性で結ばれていると感じています。たとえば、面談では両親や配偶者に参加してもらうこともあります。会社の方針や仕事内容などを理解してもらうためですが、本人のよいところを家族に伝える機会でもあります。コミュニケーションを重視した面談でいい雰囲気ができているからなのか、休日でも暇があると会社に来る社員が多いのも当社の特徴です」

そう話す近藤氏が、課題と感じているのが若年層の人材育成だ。時代の変化や学校教育の違いなどにより、若い世代の考え方や価値観は昔と大きく変化。特にMON REVEの社長は20代であり、グループの次世代を担う人材として期待されているため、新人を上手く育てることが求められる。

「私が若い頃は、不得意なことでも克服しなさいという教えが一般的でしたが、今はそうではありません。ですから、得意な分野を最大限に伸ばして、不得意な分野はできる人にやってもらうという考え方に変えてきました。役割分担することは、多様性を尊重することにも繋がります。仕事そのものをシンプルに捉え、難しく考えなければ答えは見つかるということも教えていきたいですね」

CHRグループ全体の従業員数は約100名。現在は、他社からグループ参入を希望する声も多いという。近藤氏が思い描いているのは、一般的なM&Aではなく、関わるすべての人が仲間になり家族になりうる関係性を築くこと。皆の会社として存在することが、事業拡大に繋がると考えている。

「社員にとって家族とは一番の理解者であるはず。ですから、会社の食事会やイベントでは家族を招待します。そうして接点を多くもつことで関係性も深まり、会社の隣に集合住宅を建て、希望する社員と家族に住んでもらうという計画もあります。人を大切にし、仕事をしやすい環境を提供してきたことで、結果として会社が大きくなりました。グループ名のCHRは"Circle of Human Resource"の略で、“人材の輪”という意味。これからもこの輪を大きくしていきたいと考えています。

近藤健太

株式会社REGUMU 最高経営責任者兼会長
https://regumu.com/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。