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患者と歯科医師は同じ目標を共有するパートナー
ハートデンタルクリニックは一般歯科、小児歯科、矯正歯科を標榜し、虫歯や歯周病の治療、義歯の作製、歯列矯正、審美歯科、予防歯科など、幅広い歯科医療を提供している。大きな特徴は、「歯科医師任せにしない患者主体の治療」というコンセプトを打ち出している点だろう。患者が自身の口腔内の健康に興味をもち、治療方針を自らの意志で選択する。患者と歯科医師は、治療のゴールに向けて協力し合うパートナーであるという考えによるものだ。
「歯科医院のクチコミなどでよくいわれるのが、勝手に歯を抜かれたなど、歯科医師の責任が問われている内容です。しかし、了承なしに抜歯することはありません。どこかのタイミングで、患者さんは抜歯に同意しているはずなのです。皆さんは、医科の病気に関してはある程度は勉強して治療に臨まれるのに、なぜ歯科に関しては歯科医師任せなのだろうと疑問に感じたのが、現在の診療方針に辿り着いたきっかけでした」
この問題を解決するために、葉院長はさまざまなことを実践している。口腔内の状態をできるだけ詳しく丁寧に説明し、そのうえで最適な治療法の選択肢をできるだけ多く提案。その際、それぞれのメリットやデメリットを交えて、それらの違いを分かりやすく説明する。もちろん患者と同じ目線で話し、患者の意向を最大限に尊重し、最後にどうなりたいのかという治療後のゴールを思い描けるように進めていく。
「最終的に必ず患者さん本人に治療法を選択してもらうことを大切にしています。そのため、患者さんが少しでも迷われているようなら、無理に治療はしないで熟考をすすめます。また初診時に、今までの治療で嫌だった経験を聞くことも当院の特徴です。例えば麻酔で痛い思いをされたことがあるのなら、表面麻酔を使いますし、麻酔をする際にひと声かけるなど、不安を和らげるように努めています」
一方でどのような患者に来てほしいのかも明確にしている。平日の診療最終受付時間は16時30分で、これは会社帰りに来院する患者が、仕事が終わらないという理由で診療を無断キャンセルすることが多かったことに由来する。同時に勤務するスタッフが、家族とともに夕食の団らんをゆっくり過ごしてほしいという願いも込められている。
「会社を休んででも歯を大切にしたい、そんな価値観をもつ人たちに来てほしいと考えています。現在の歯学部の学生は約半分が女性で、歯科医師になっても出産などで現場を離れなければいけないときがあります。現役の歯科医師も高齢化が進み、辞める先生も増えています。近い将来、歯科医院は減少し、患者さんも歯科医師に選ばれる時代になりつつあるのです。そのために、患者さんの歯科医療に対するリテラシーを高めるための啓発活動を行っていますが、一方の歯科医師もどのような歯科医院にしたいのかなど、明確な理念をもつことが求められます」
健康で豊かな生活を笑顔で送るための予防歯科
鹿児島県で家業がラーメン店という家庭の8人兄弟の末っ子として生まれた葉院長。15歳離れた兄から、「会社員向きの性格ではないから、手に職をつけたほうがよい」といわれ続けたことで歯科医師を目指すようになった。鹿児島大学歯学部卒業後、都城市の隣町にある歯科医院に11年間務め、2007年にハートデンタルクリニックを開院。幅広い歯科医療を行うなかで、三本柱にしているのが歯列矯正、審美歯科、予防歯科である。
「私自身、前歯が上下反対の噛み合わせで、写真撮影のときは笑顔が苦手でした。そのため同じ悩みを抱える患者さんのためになりたいと思い、勤務医時代から歯列矯正に力を入れるようになったのです。自分の歯並びも自分で治したところ、口を開けることに抵抗がなくなり、笑顔が増えました。また私の妻と長女にも歯列矯正に加えて、矮小歯(生まれつき他の歯に比べて極端に小さい歯)などに対する審美歯科の治療をしたところ、より多くの笑顔が見られるようになったことも歯列矯正や審美歯科を重視する理由です」
同院の歯列矯正ではワイヤーとマウスピースの両方を用意し、歯並びによっては、半年はワイヤーを、残りの期間はマウスピースを使うといった治療もできる。また矯正専門の歯科医院では矯正以外の治療を行うことはなく、一般歯科と矯正歯科の両方を標榜する歯科医院では矯正専門の歯科医師が非常勤として治療にあたることが多い。対して同院では、葉院長が一般歯科と歯列矯正の両方を担当しているため、トラブル時の対応がいつでもできることが強みになっている。そして、生涯健康で豊かな生活を笑顔で送るために、重視するのが予防歯科だ。
「私が通っていた小学校は全国保健優良校で、週一回フッ素洗口をすることが習慣になっていました。そのおかげなのか55歳を過ぎた今でも虫歯になったことが一度もなく、予防の大切さを痛感しています。治療が終われば安心というわけではありません。虫歯の治療は修復しただけであり、歯は一度削ると強度が弱くなり、将来的に虫歯再発のリスクもあります。また、歯石は歯科医院でしか取ることができず、放置すると歯周病が進行する可能性が高くなるため、いずれの予防のためにも定期検診の受診を勧めています」
歯周病は幼い頃に、親が咀嚼した食べ物が与えられることなどによって、唾液を介して歯周病の原因菌が移ることで感染するといわれている。母親が歯周病であれば、父親も子どもも歯周病に感染している可能性が非常に高い。そのため、葉院長は家族全員で定期検診を受けることを推奨している。子どもは、歯医者は痛いことをされる場所ではなく、歯を守ってくれるところと認識し、将来にわたって予防意識をもち続けるメリットもある。
「今後は同じ思いをもった歯科医師を増やすことにも力を入れたいと考えています。デンタルコーチングの資格をもっていますので、開院予定の歯科医師に対してコンサルティングでサポートすることもできます。加えてインテリアが好きなので、内装や設計に関するアドバイザーの仕事にも興味があります。当院は開院から18年も経った病院には見えないほど、いつもきれいにしています。衛生管理が行き届いていることは、患者さんと同じ目線で考えることに繋がるからです。治療法を自身で選択できる患者さんだけでなく、そんな理念にこだわった歯科医院が増えることも私の願いです」