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横倉弘和
YOKOKURA HIROKAZU

横倉弘和

ジパングアウトソーシングサービス株式会社 代表取締役社長

高いスキルに人間力をプラスした
究極の中小企業向けアウトソーシングを目指したい。
会社を設立する際にはさまざまなハードルが存在するが、日本に進出しようとしている外国の中小企業にとっては、法務、税務、社会保険などの手続きの煩雑さは最も高いハードルと言っても過言ではない。そこで、こうした企業向けに、バックオフィス業務をワンストップかつバイリンガルで提供しているのがジパングアウトソーシングサービス株式会社だ。
横倉弘和
画像はイメージです。
日本に進出する外資系企業の“かかりつけ医”

「日本経済の停滞が取り沙汰される一方で、外国企業の日本への進出は依然として旺盛だと感じます。円安も大きな理由ですが、やはりインフラや治安のよさなどの環境が世界一だから。また日本の消費者の目は厳しいので、ここで受け入れられれば大丈夫ということで、世界進出のテストを兼ねて日本に来る外国企業は多いです」と語る、ジパングアウトソーシングサービス株式会社の横倉弘和代表取締役社長。

同社は主に外資系企業の日本法人や日本支店をクライアントとし、そのバックオフィス業務を請け負っている。日本進出へ向けたアドバイスの段階から携わり、本社の管理部と連携を取りながら会社設立後の会計や税務、給与計算、人事労務など管理業務ほぼすべてに対応する。

「日本ほど企業の法務、税務、社会保険などの手続きが煩雑で難解な国はありません」と語る横倉氏。世界4大会計事務所として知られるアーンスト・アンド・ヤング系の事務所に在籍していた横倉氏が独立したのは2013年のこと。
「海外では会社立ち上げ時の諸々の手続きがオンラインで簡単にできるのに、日本ではいちいち別々の役所に届出しないといけない。さらに外国企業となると、銀行口座ひとつつくるのも大変で、言葉の問題もある。初めて日本に進出するような外国企業にとっては、税理士、社労士、司法書士などの各事務所と契約するのは負担になりますし、また各領域の中間に存在するような問題にどうしても空白ができます。かといって大手国際会計事務所に一括して任せるようなコストはかけられません」

日本に進出する外資系企業には、どんな症状の子どもでもかかれる小児科の”かかりつけ医”のような存在、経理だけでなく管理部門全体を網羅するワンストップサービスが必要ではないか。そう感じたことが、横倉氏が会社を設立した動機だ。
「企業が成長して、国際税務プランニングや移転価格税制対応といったものが必要になったら、専門チームを備えたいわば大学病院である、大手国際会計事務所を紹介できる体制も整えています」

外資系企業は理詰めでいかなければならない難しさがある反面、成果に対して素直に反応してくれるのが嬉しいと言う。
「『ファンタスティック、マーベラス!』って、大げさなくらいに喜んでくれる。この人の喜びが自分の喜びになって、成長につながっていくのです」

横倉弘和
“サービス業”として、チーム力、組織力で成長を目指す。

「日本でもようやくDX化が進んできていますし、今後行政のデジタル化やAIなどによって手続きの煩雑さは改善されていくでしょう。しかし絡み合った問題点を見つけ、解決していくことはまだAIにはできません」と語る横倉氏。横倉氏は自社の業務を士業でなく“サービス業”だと明確に定義する。そして個人力よりチーム力、組織力で成長を目指していくと言う。

「この業界はわりと職人的なところがあって、ひとつのクライアントを一人の社員が担当し、それぞれが各自の案件をやればいいというスタイルが一般的。組織力より社員個々の業務スキルに依存している事務所が多いです」
これに対してジパングアウトソーシングサービスでは、どんな小さな案件でも必ず3名以上のチーム制で臨む。そのために社内教育に力を入れ、業務研修や英語研修のみならず、経営理念や指針の研修も充実させている。

「新年度である夏には毎年外部のホールを借りて、社員向けに冊子を作って経営計画を発表しています。こんなことをしている事務所はたぶん他にはないと思います」
チーム体制を敷いているのは、チェック機能の強化や、得意分野を持ち寄ることによって、提供するサービスの質を高く保つことも目的のひとつ。しかしそれと同時に意識しているのが、ワークライフバランスを確保した働き方の実現だ。

横倉氏は長男が3歳、次男が1歳のときにシングルファーザーとなり、育児と両立しながら働き、独立まで漕ぎ着けた。「二人ともとにかくやんちゃで、忙しいときによく学校に呼び出されるなど苦労しましたが、さまざまな人や行政のサポートを受けて何とかやってこれました。しかしその一方で、優秀で人格者にもかかわらず、育児や介護などの事情で業務時間に制限があって辞めざるを得ない方々を沢山見てきました。本当にもったいないし、日本にとっても損失なので、そのような人たちでも十分活躍できる職場環境を作れないかとずっと思っていたのです」

ジパングアウトソーシングサービスでは、チーム体制にすることで閑散期と繁忙期を可能な限り平準化し、大幅な残業削減を実現。19時半以降の残業を原則禁止とし、最繁忙期でも月あたり20時間程度にとどめていると言う。

「外資系企業の力も借りながら、日本を再び元気にさせたい」と語る横倉氏。これまでに培ったノウハウを元に世界に進出し、国際展開を目指す国内外の中小企業の現地法人向けアウトソーシングを展開するビジョンも描いている。「世界のどの事務所も真似できない高いクオリティと、付加価値に担当者の人間性をプラスした、日本発の究極の中小企業向けアウトソーシングを目指していきたいですね」

横倉弘和

ジパングアウトソーシングサービス株式会社 代表取締役社長
https://japang.co.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。