決済事業から社会課題に対するソリューションを提案
梅村氏は、日本のキャッシュレス決済において初期のソリューションを開発した先駆者で、現在は、端末レスの「人も端末もいらない次世代キャッシュレスサービスSWAPay(スワッペイ)」を提供。決済業界は来たる大きな変革に備えており、同社も例外ではない。昨今、PINバイパスと呼ばれる、カード決済時に暗証番号の入力を省略し、サインで認証を行う手段が2025年3月に廃止することが発表されているからである。
「例えば飲食店で、会計の際に店員にカードを預けることは不安ですよね? 今後は各飲食店でモバイル端末を用意しない限り、決済のために改めてレジに並ぶことになるでしょう。決済が重なり、レジ前に人が並んだり、これまでのオペレーションを大きく変えなければならないかもしれません。そこでソリューションとなるのが我々のSWAPay。お客様自身のスマホでセルフ決済するのでセキュリティ面は万全。お店側としても決済のために端末や人を用意する必要がありません」
日本社会は今やインバウンド需要の揺り戻しや労働人口減少など、さまざまな社会課題の解決に追われている。カードの不正利用防止や業務の効率化を図るためにも、決済における利便性と安全性の向上はまさに道を切り開く一手。梅村氏が培ってきた経験と知識は社会への処方箋となるだろう。
また、SWAPayの展開は日本のみに留まらない。現在はグローバルの舞台に足を踏み入れる準備をしており、今年度はマレーシア、インドネシア、シンガポール、ドバイに展開していきたいという。そして、後には北米やヨーロッパへの進出を見込んでおり、世界中の市場を相手にする意欲で満ちあふれている。
「さらには今後10年で、宇宙で生活をしたり、消費行動する未来が来るはずだと私は考えています。宇宙には国境も、通貨も、法律もありません。私は宇宙産業に決済という領域から貢献したい。時間や国、そして宇宙を跨いでも決済ができるサービスを構築していきたいです」
ITの世界は常に目まぐるしく進歩しており、2年前の技術ですら陳腐化してくる。つまり、ローンチしたいタイミングの数年前から準備をする必要があるのだ。梅村氏はSWAPayの提供を一つの過程ととらえ、さらにその先の宇宙時代まで見据えて歩み続けている。