「アンテナ工事=接客業」という意識改革で飛躍
竹内氏が仲間とともに電翔を設立したのは2012年のこと。以来、関東全域から東海、関西までの広範なエリアにおけるアンテナ工事で日本有数の実績を積み上げている。
「ひと昔前までは、特に新築の戸建住宅などではテレビを見るためのアンテナ工事がマストでした。しかし、現在はケーブルテレビや光回線でもテレビを視聴することができます。とはいえ、アンテナなら設置にかかる数万円の費用だけで、毎月のランニングコストを大きく節約できる。『アンテナってどうなの?』と思われている一人でも多くの方に、そうしたテレビアンテナの魅力をお伝えするのが私たちの使命です」
竹内氏がそう話す通り、自社のホームページではアンテナ工事の施工例を中心としたブログを毎日更新。最近では公式YouTubeチャンネルも開設し、テレビアンテナの魅力を伝える情報発信にも注力する。
創業から約9年、3名で立ち上げた会社の社員数は数十名に増え、各地に支店やグループ会社を抱えるまでに成長した。そんな同社の躍進を支える二本の柱がITと人材育成だ。
「若いときに色々な仕事を経験したうちのひとつがIT系だったこともあり、当社では早くから自社のホームページを立ち上げ、インターネット広告にも力を入れていました。結果、多くのお客様から他社のクレームや工事についての要望などが寄せられるようになり、そうした一つひとつの声に応えることが、業界のイメージを変える取り組みへとつながったのです」
電翔が掲げるビジョンは“1to1サービスの達人”。実際にどのように工事が行われているのかが見えにくいからこそ、工事の品質はもちろん顧客の満足度を何よりも大切にする。
「自分がお客様ならどのような人に工事に来てもらいたいか、来てもらいたくないかを考えて、清潔感やマナーを大事にしようと。新人研修はもちろん、マナーやモチベーションアップのための研修も定期的に実施するなど、技術だけではない社員の人間教育を徹底して行っています」
実際、全国の現場で顧客と対峙する電翔のスタッフは、いわゆるガテン系のイメージとは大きく異なる。たとえば工事の説明が明瞭だったり、話していて気持ちがよかったり。アンテナ工事の技術にプラスし、一人ひとりの社員がそうした付加価値を提供することで、同社は飛躍的な成長を遂げたのだ。