企業価値向上のプロフェッショナル
髙畑氏は千葉の野球強豪校で部活動に打ち込む高校時代を送った後、警察官や海上自衛隊での潜水艦勤務を経て、東京の信用金庫に入庫。主に中小企業に向けた融資支援業務を担当し、約17年間にわたり営業・管理部門で活躍した。その後は、東京を本拠とする食品ディスカウントチェーンの本部に転職。フランチャイズのオーナーに向けた金融機関対策や資金支援を担当した後、経営者の側近として15社の企業や事業の買収に携わるなど、M&Aによる企業価値の向上を実現させた。
「以前に勤めた会社では、成約に至らなかった案件を含め、約10年間で25社以上の経営者の方々からのご相談に寄り添い、事業を承継する形での会社の買収や売却などを手掛けてきました。そうした経験を通じて私自身が培ったノウハウを、特に企業価値の向上を目指す中小企業や、後継者不足に悩む経営者の方々に向けて提供したいと考えたのです」
髙畑氏が独立して自らのコンサルティング会社を立ち上げた背景にあるのが、M&Aを検討する中小企業の前に立ちはだかるあまりにも高いハードルだ。
「本来であれば、企業価値の向上を目指す中小企業や後継者のいない中小企業にとって、M&Aは事業承継を行う有効な一手となるはずです。しかし現在の日本では、売却先や資産内容の調査を行う業者が、高額の仲介手数料を見込めない小規模な企業同士のM&A案件をやりたがらないという状況があり、中小企業を対象としたM&Aはあまり活発ではありません。特にIT化が遅れている日本の中小企業ではオンライン上のマッチングサービスなどで売却先を探すのは難しく、また、同族経営を重視してきた日本企業の体質なども課題となります。そうしたハードルの高さもあって、M&Aを活用した事業承継を選択肢に入れられず、“あきらめ”による廃業を行う企業が増えているのです」
そう話す髙畑氏が中小企業の経営者に向けて提供するのが、企業買収プロセス構築コンサルティング。トップ面談から重要人物の選定、対象企業の財務デューデリジェンスから契約、クロージングまでを社内で行える体制を構築し、企業内でのM&Aの“自走化”を実現するサービスだ。