美容業界に特化したコンサルで売上倍増
美容室でシャンプーやトリートメント商品を美容師から薦められることがあるが、なぜかその瞬間からお互いにギクシャクしてしまうことが多い。身構えてしまう客側に対して、美容師側も「売れるわけがない」と諦めてしまう。佐藤氏は、ここが「店販の挫折ポイント」だという。
「美容師は技術職なので、そもそも物を売ることを苦手と感じる方が多い。売ろうと思うからお互いに身構えてしまう。ですが、売ることを一切考えずに、専門家が専門的な立場で見解を述べると考えればいい。美容師というのは、お客さまにとって定期的に会い、髪を切るという身体を預けたことのある信頼のおける専門家。その人が提案するものなら、高額商品でも使ってみようかなとなりやすいでしょう」
ただ、専門家がお薦めするなら、と興味が湧く一方で、そこから購入に至るまでにはややハードルがあるように思える。
「基本的にお客さまは美容師に対して片思い。お客さまは私の美を叶えてくれている専門家、と思っているが、美容師自身にその認識は無いか少なく、私の期待に応えてくれない、と思われがちなんですよね。そこを信じて話すだけでいい。お客さまに求められていますよ、ということを伝えたい。それが今僕が行っているコンサルティングのベースになっています」
もともと美容業界出身ではないという佐藤代表。地元・岩手で食品会社の営業マンだったときに、美容師だった親友が薦めてきた、1本5000円のシャンプーが転機になった。
「当時、彼から『成功する人間は、必ず自分の身なりに投資する。将来ビッグになりたいんだったら、シャンプーに5000円をかけられるレベルじゃないとダメだ』と言われたんです。それも月給12万のときに。今思うと、彼が僕にそれを売るために考えた結果のアプローチ方法だったんでしょう」
その後、そのシャンプー会社に親友を通じて転職。当初は全く売上に結びつかず、落ちこぼれからのスタートだったが、「1年間勝負をかけてダメだったら辞めよう」と背水の陣で導き出したのが、「答えは現場にしかない。だったら、美容室で美容師と一緒にシャンプーを売ってみよう」という方法だった。そこで、美容師が「店販」を苦手とする理由を目の当たりにし、改善策を提案。自身の売上も急激に上昇した。
「美容師がセールスマンになる必要はない。もともとお客さまと築き上げてきた信用と信頼がありますから。売りつけるのではなく、自分の技術と知見を活かしてあげようとメンタルを変えるだけで売れるようになる。そんなようなことを現場で一生懸命学んでいきました」