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大木怜於奈
OHKI LEONA

大木怜於奈

弁護士法人N&O Partners/名取・大木法律事務所
マネージング・パートナー弁護士

企業の心臓部である技術や情報を守り、
モノづくり大国・日本の再起に貢献したい。
半導体やAIなどの先端技術を巡る大国間の競争が激化し、経済と安全保障の境界が曖昧になりつつある現代。日本でも、2022年に成立した経済安全保障推進法、24年成立の重要経済安保情報保護活用法などによって、包括的な経済安全保障体制の構築が進んだ。それに伴い、基幹インフラや先端技術に関わる企業を中心に、民間企業にもより強固な情報セキュリティ対策と適格性評価が求められるようになっている。
大木怜於奈
画像はイメージです。
多角的なリスク対策の壁

弁護士法人N&O Partners /名取・大木法律事務所のマネージング・パートナー弁護士である大木怜於奈氏は、「コーポレートガバナンス・コード改定案においても、内部統制システムや経営責任に関する項目に経済安全保障への取り組みが明記される見込みです。もはや、経済安全保障に取り組むことは、コンプライアンスやSDGs、ESGと同様に、経営責任を果たすことの一環となりました」と語る。しかし、企業にとって、経済安全保障に関して具体的に何を、どこまで、いつまでに取り組まなければならないかを判断していくのは非常に難しいことだ。

「なぜなら、経済安全保障リスクには、法的なもの以外にも、地政学・地経学リスクや政治リスク、貿易リスクなど、さまざまな分野のリスクが関係するからです。従来的なアプローチで法務リスクだけに取り組むのでは不十分で、多様なリスクに対する体系的なアプローチが必要です。実際に、自社内の法務部や輸出管理・外為関係部門だけで対応を進めようとして、行き詰まっている大企業も多いです」と大木氏は語る。

こうした現状を踏まえ、大木氏は、法律に関する対応にとどまらず、必要に応じて専門コンサルタントなどと提携しつつ、インテリジェンス分析や技術流出防止・営業秘密管理体制の構築なども含めたワンストップサービスを提供するために、LUコンサルティング株式会社を立ち上げた。経済安全保障分野を本格的に扱う弁護士がまだ非常に少ない中、N&O Partnersがこうした対応を可能としているのは、大木氏が独立開業以来、主に不正競争防止法を扱っていたことが大きい。

「技術の盗用や模倣商品などを禁止する不正競争防止法は、経済安保との親和性が非常に高いのです。対策すべき根幹部分は共通ですから」

大木怜於奈
企業の心臓部を守り、強い日本を取り戻す

開発、インフラ、重工、製薬、化学などの分野を中心に、複数のプライム上場企業をクライアントにもつ大木氏は、不正競争防止法対応、内部不正防止、サイバーセキュリティ強化などに加えて、いち早く経済安全保障関連の案件も手がけ始め、約5年の間に豊富なノウハウを積み上げてきた。

経済安全保障の取り組みの過程においては、対応施策の実施はもとより、実効性の高い施策を実現するため、要保護情報の棚卸し・選定・評価、実態調査、リスクアセスメント、脅威評価などを行っていくと語る大木氏。

「まずは『何を守るべき情報とするか』について、明確に定義することからスタートします。大企業でも、自社の重要技術情報を整理しきれていないケースが意外に多いからです」
また、重要な情報を守るためには、システム面の強化だけでなく、人的側面からのアプローチが不可欠だという。

「本社側と製造現場の担当者の間で技術の重要性認識にギャップがあり、工場では驚くほど容易に技術情報を盗んでしまえる状態になっているケースが少なくありません。また、各地に工場が分散しているメーカーでは目の届かない部分が多くなり、サプライチェーン全体でのセキュリティ確保が困難になります。サイバーセキュリティ対策においては、システム自体の対策はしっかりできているのに、運用する人間のセキュリティ意識の不足が穴になっている場合も多いのです。技術流出防止・営業秘密管理という目的のためには、人事労務の観点も手段として駆使することが重要です」

大木氏は、リスク調査から改善策の策定、定期監査といった一連のPDCAサイクルを回す社内体制と運用方法を構築できるように、年単位でクライアント企業に伴走してサポートしていく。
「現在は大手企業が中心になっていますが、独自の製造技術を有する企業、バリューチェーンやサプライチェーンにおいて不可欠な役割を担う企業には、中堅・中小企業も多いため、今後は、企業規模に関わらず幅広いサポートにも積極的に取り組んでいきたいと考えています」と語る大木氏。そのモチベーションの根底にあるのは、「強い日本」の姿を取り戻したいという思いだ。

「世界経済情勢が激変する中で今の日本は、残念ながら競争力の低下や国際社会における地位の低下が目立つようになってきていると感じます。そこで、経済安全保障の概念を社会全体に浸透させることで、経済発展の強固な基盤を支えることに貢献し、日本がモノづくり大国として再起するための一助を果たせればと考えています。企業の経済活動の源泉は、技術、情報、人ですので、こうした企業の心臓部を守りたい。そうした取り組みが、ひいては企業とその取引先の従業員や家族や国を守ることにもつながると信じています」

大木怜於奈

弁護士法人N&O Partners/名取・大木法律事務所
マネージング・パートナー弁護士
https://leona-ohki-law.jp
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。