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野呂直史
NORO NAOFUMI

野呂直史

株式会社じょぶれい 代表取締役

通信業界で培ってきた経験を武器に、
高度なスキルが必要とされるサービスを提供。
次世代移動通信システムである5Gの普及と共に技術革新が進む通信業界。株式会社じょぶれいはこの業界を中心に、人財サービスの提供や営業・販売促進の支援などを行っている。創業者であり代表取締役を務める野呂直史氏が大切にしているのは、世の中から必要とされる人の集まりであり続けること。着実に成長し続けている強さの源泉を探ってみたい。
野呂直史
蓄積したノウハウを商品化して事業をスタート

NTT,KDDIなどの通信キャリアと呼ばれる電気通信事業者を中心に構成されている通信業界。キャリアの名前が付いたショップは、一部を除いて一次代理店という販売店が運営し、その下に二次代理店、三次代理店が続き大きな商流を形成している。この中でじょぶれいは、主に一次代理店が担当しているキャリアショップや、モバイルを卸している量販店の売り場の運営を丸ごと受託。スタッフの教育や販売促進のための売り場づくり、イベントの実施など、運営に関するすべての業務を請け負っている。しかし、各世帯におけるスマートフォンの普及率が8割を超えた今、仕事内容は複雑になり高度なものになっている。

「スマートフォンが高機能になりサービスも多様化したことで、仕事自体がどんどん難しくなっています。さらにインターネット回線をはじめ、扱うサービスや商品も幅広くなってきたため、多くの知識や理解力が求められるようになりました。しかし、私はもともとこの業界の出身なので、人の教育や研修、パートナー企業との組み方など、さまざまなノウハウを提供することができます。一般の派遣会社や業務委託の会社ではできないことでも、きめ細かく柔軟に対応できることがじょぶれいの強みです」

業界に変革の波が訪れても、その波に上手く乗ることができた理由は野呂氏のキャリアにある。1970年に三重県伊勢市で生まれた野呂氏は医薬品の卸会社などを経て、1990年に住宅設備機器販売やメンテナンスを行う会社の設立に共同経営者として誘われた。伊勢に設立したその会社は当時、通信自由化によって新規参入した第二電電(現KDDI)の電話回線を扱う代理店の権利を獲得。その後、本社を名古屋に移し携帯電話を扱う代理店へ業務内容を一本化。携帯電話の普及と共に驚くようなスピードで急成長を遂げた。

「当時の一次代理店は問屋のような存在でした。実際に店舗でお客様を相手に商売するのは、私たちのような二次代理店や三次代理店。だから携帯電話の扱いやスタッフの教育に関するノウハウを蓄積することができ、これが大きな武器になっていったのです。実際にキャリアが考えたイベントよりも、私たちが考えたイベントの方が販売に繋がった例がたくさんありました。だったら、こうしたノウハウをサービスとして、キャリアや一次代理店に提供すれば新しいビジネスになるのではと商機を見出しました」

ところが、野呂氏がいた会社がそのサービスを提供すると、結果的に競合となる他の代理店との公平性を保つことができなくなるため実現できなかった。そのような背景から、2003年に野呂氏は独立して名古屋でじょぶれいを創業。狙い通りにさまざまキャリアや一次代理店から仕事を受注し、やがて東海3県だけでなく静岡にも進出。創業5年が経つ頃には年間の売上が20億円に迫った。現在は名古屋を拠点に、東京や大阪などに5つのオフィスを構え、450名を超える従業員を抱える規模まで成長している。

「じょぶれいが得意とするのは、特別に能力の高い販売部隊や講師を育てるための講師など、高度なスキルが必要とされる人財サービスや営業支援、販売促進支援です。また、人財の能力が存分に発揮できるかどうかは環境も大きく影響するため、マネージメント力や組織力で適切なマッチングを行えるのも他ではできないことだと自負しています。5年ほど前から採用戦略も見直して、マネージャー間で会社のビジョンやマインドを共有し、やるべきことを明確化。おかげさまで2021年度は100名以上の新卒学生を採用することができました」

野呂直史
世の中から必要とされている会社であること

野呂氏が日頃から大切にしていることの一つに『生きていく力=必要とされる人』という考えがある。携帯電話を扱っていた前職時代、携帯電話の普及期という追い風もあり働けば働くほど売上が上がり、収入はどんどんアップ。いわゆる天狗になり、家庭を顧みない生活をしていた頃、当時の社長に鼻をへし折られ改心を余儀なくされた。その際に辿り着いたのが、自分は必然的に生かされているという境地だった。

「応援してくださるクライアント、付いて来てくれている従業員がいて、いろいろな理由があって関係性を築いているわけですが、生かされているから付き合うことができる。過去を振り返ったとき、小さいながらも必要とされていたから、その立場にいたことに気付いたのです。そして、自分のことを必要としている人とは、Win-Winの関係であることがいい人生を歩む上でのポイントになる。ビジネスでもプライベートでもそんな関係性であれば、心が豊かになるに違いないと思い、『生きていく力=必要とされる人』という概念に変わっていきました」

そんな堅実な考えで成長してきたじょぶれいだが、将来的な日本の課題とは無縁ではいられない。日本の人口は2008年をピークに減少に転じており、ニーズが減っていくだけでなく、デジタル化やAI化によって単純な仕事はなくなっていくことが予想される。また、今春より各キャリアでは格安の新料金プランがスタートするが、申し込みはすべてウェブで受け付けするということは、店舗のスタッフが不要であることを意味する。

「これからは人でしかできない仕事と、人ではなくてもいい仕事の差がはっきりしてくるでしょう。これまで得意としてきた高度かつ特殊な分野での人財の教育や育成がますます重要になり、こうしたノウハウは通信業界以外の業界でも活用することができます。世の中の動きや変化を素早くキャッチし、細かく動くことで、必要とされるビジネスに対してアプローチしていきたい」

実際に、小学校でのプログラミング教育の必修化を受け、マーケティングの目的も兼ねてプログラミング教室を名古屋と札幌で先行スタート。知育的事業ではあるが、既存のサービス提供の業界に留まらず、通信業界以外への新しいビジネスとして期待が高まる。近い将来、全国の主要な都市で展開しプログラミングの講師の育成や派遣、さらには行政とタイアップして学童でプログラミングを教えるといった展開も視野に入れている。
また、以前よりTID事業と称して通信インフラの整備にも進出。例えば業界最大手コーヒーショップをはじめとした全国の店舗内におけるWi-Fiスポットの構築を請け負い、今後は5Gへ切り替わることでさらなる成長が見込めるという。

「他にもキャッシュレス化の推進を受けて、d払いやau PAYの決済に対応してくれる店を開拓するための全国営業活動も約2年前から開始。そして、世の中から必要とされるためには社会貢献性の高い企業である必要性があり、私たちが最も貢献できることが雇用の創出です。さまざまな業界に対して、多種多様な仕事をつくり出し多くの人が活躍できる場をつくっていきたい。例えば外国人でも対応できるホワイトカラービジネスなど、人でしかできないことの教育や育成は最も得意とするところ。大手の会社ではできないことで世の中に対してもアピールしていきたいと思います」

じょぶれいには『理心利光』という野呂氏が考えた造語による社是がある。これは何事も理(ことわり)と利は均等のバランスの上に成り立っていることを表わしている。そして、心をもってやり続けることが自分の光となり、人に光を与えることに繋がるという意味である。自利利他にも通じるこうした考えを徹底している限り、真の意味で世の中から必要とされる企業であり続けるであろう。

野呂直史

株式会社じょぶれい 代表取締役
https://jobray.com/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。