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西村純一
NISHIMURA JUNICHI

西村純一

株式会社トラストレックス 代表取締役

依頼人の想いに向き合う試行錯誤のなかで、
健康を支える新たなプロダクトが生まれる。
「当社の製品は、人との出会いによって生まれたもの。私のところには、さまざまな方から『こんなものができませんか?』『あれよりももっと安価でよいものができませんか?』といった相談がきます。そして依頼人と話し合っていくうちにアイデアが下りてきて、製品のイメージができあがっていくのです」と語る、株式会社トラストレックス代表取締役の西村純一氏。
西村純一
依頼を形にする。そのためにあらゆる努力をしていく

さまざまな健康関連製品を世に送り出してきた西村氏だが、なかでも有名なのは、前身の株式会社エコホリスティック時代から手がけているマイナスイオン発生機「イオニオン」だろう。これも、元々はマイナスイオンの測定器を作れないかという依頼がきっかけだ。マイナスイオンとは、大気中の原子や分子が電離によって電子を得ることでマイナスに帯電したものを指す。大気の電離は放電のほか、自然界の放射線によっても行われる。

「そのため、マイナスイオンが出ていることの検証のためにガイガーカウンターがよく使われていました。しかしそれでは放射能をイメージして怖がる人がいるので、放射線をイオンに変換した数値として計測できないかと相談されたのです」

そこで西村氏は1999年にマイナスイオン測定器を開発。そして翌年の健康博覧会に出品すると大きな注目を浴びた。この測定器の登場によって安心してアピールできるようになったことが、マイナスイオンの一大ブームを生む契機となった。

「しかし、ブームが起こっては潰されるのが健康産業界。マイナスイオンも、試験もせずに頭の中で考えたことだけで批判する学者もいました。一方で、ブームに便乗して根拠もなくマイナスイオンが出ていることを標榜するいい加減な製品もたくさんありましたし、トルマリンのように、そもそも静止状態ではマイナスイオンが出ないのにマイナスイオン効果をうたうようなものも登場しました」

ブームを一過性のものにしないためには、マイナスイオンの発生量を計測するしっかりした基準が必要だと感じた西村氏は、マイナスイオン測定の標準化を目指して2002年にNPO法人日本機能性イオン協会を立ち上げ、’06年にはマイナスイオン測定のJIS制定化に漕ぎ着けた。大きなブームが去った後の現在もマイナスイオン関連商品が生き残っているのは、こうした努力あってのことだ。

「マーケットから撤退することなくイオニオンを18年間販売してきましたが、今期は20万個近い売り上げがありました。地道にやってきた成果が出てきましたね」

西村純一
誠実な商品作りを。売り込みのための営業は必要ない

日本機能性イオン協会を立ち上げたころ、西村氏はマクロビオティックを知り、新事業としてマクロビオティックレストラン「ママンテラス」を大阪心斎橋に開業。その後、伊勢丹とコラボした「リトルママン」をオープンするなど店舗を拡大していったが、リーマンショックの影響で経営が行き詰まり、'08年に会社は倒産し、自己破産に追い込まれてしまう。

「負債は銀行借入分のみだったので、娘の名義で株式会社トラストレックスを創業し、翌年の免責決定後に代表取締役社長に就任して、現在に至ります。会社を潰してしまったことは、畑違いな業務を闇雲に拡大させてはいけないという大きな勉強になりました」

トラストレックスとして再スタートを切ってからも、従来の製品に加え、温水を利用したマットなどの新製品の開発、販売にも意欲的に取り組んでいる西村氏。最も新しいアイテムとしては、昨年に発売した、近赤外線を活用した口腔マッサージャー「サリオーラ」がある。

「これも、人との出会いがきっかけで生まれた製品です。加齢や生活習慣によって唾液が出にくくなると、歯周病になりやすくなり、ひいては糖尿病や高血圧の要因になります。近赤外線を歯茎や唾液腺に照射すると血流が増加し、唾液の分泌を促すので、歯科医ではそうした治療器を使用しているところもあるのですが、大きくて高額。そこでもっと手軽に使えるものができないかという相談を2年前に受けました。原理はシンプルなものなので、家庭でも使えるようなハンディタイプにし、さらに超音波振動によるマッサージ機能を加えて完成したのがサリオーラ。じつは健康業界では今は口腔ケアがトレンドになっているのですが、時流とうまく合致しました」

今後は製品作りと並行して、健康に関して自立する人を増やしていきたいと語る西村氏。代理店が主催する勉強会などに積極的に赴き、健康になるための知識を広めている。

「人に勧められたまま使うのではなく、自分の健康は自分で守るという意識が必要。本来、人間は自分で体を治す力を備えています。まずは生活を見直して、変えていくことが重要なんです。ただし、理想的な生活はあるものの、どうしても環境上変えにくい部分もあります。その部分を機器でフォローすればよいのです」

誠実な商品作りをすれば勝手に売れていくので、売り込みのための営業は必要ないと語る西村氏。アイデアもまだたくさんあるという氏の挑戦はこれからも続いていく。

西村純一

株式会社トラストレックス 代表取締役
http://www.trustlex.co.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。