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中島光夫
NAKASHIMA MITSUO

中島光夫

Growthix Capital株式会社 代表取締役

日本型M&Aで、
中小企業の存続をかけた挑戦へ
現在、日本には約380万社の中小企業が存在し、後継者の目途が立っていない企業も数多い。事業継承問題が悪化していけば、国の経済は大きな打撃を受けることとなる。そうした問題に真正面から取り組むのが、Growthix Capital株式会社の代表取締役を務める中島光夫氏。サーチファンド型のM&Aという企業買収の手法を日本型にアレンジし、企業とプロ経営者、そして資本家の三者によって経営を成り立たせる事業を行っている。
中島光夫
企業を後世にまで残すために

学生時代はラグビーの本場、ニュージーランドに留学しプレーしたという中島氏。ポジションはフォワードとバックスをつなぐNo.8だったという。今、彼が取り組むのは後継者問題を抱える日本の中小企業に、経営者と資金をつないで存続させる、つまり企業としてプレーし続けるためのボールを供給することである。

「起業以前は大阪で企業向けの融資事業に携わっていて、その時から経営者の高齢化をひしひしと感じていました。調べてみると、日本で100万社以上の中小企業が後継者不在だということがわかり、これは国難、日本の危機だと直感しました」

そこでサーチファンド型M&Aというアメリカ生まれの企業買収を、日本の事業承継問題にぶつけることにした。これは企業、投資家、プロ経営者の三者間で行うM&Aで、企業の株を投資家が買収、オペレートはプロ経営者が行うというものだ。

「日本でもM&Aは浸透してきましたが、それでも年間約3000件程度。事業承継が必要な企業に対し圧倒的に数が足りない。プロ経営者を目指す人はだいぶ増えてきましたが問題は投資家です。彼らの目線を投資信託や不動産から一部未上場企業の株に切り替える必要があります」

日本の投資家は保守的でリスクを取りたがらない傾向にある。特に未上場企業の株はブラックボックスに近いものがあるが、事業承継が必要かつ黒字の企業は127万社も存在する。中島氏は実際に企業に足を運び決算書を読めば、リターンの大きさと社会的意義に気づいてもらえるはず、と語る。
「世のため、人のため、みんなで日本最大のピンチを救っていきましょう。新しい日本に優秀な若手経営者を育てましょう、というメッセージも込めてマッチングを行っています」

一方、中小企業経営者の多くは事業承継の必要性を感じていながら、公にできずひとりで問題を抱えてしまうという。

「ビジョンや経営企画の方法論がないために伝えることができない、つまり経営方法が社長ひとりの頭にしかないんです。さらに感情の問題もあります。ご自身がまだトップでいたい、または親族が外部への継承を反対されるといったケースも多々あります」

中島光夫
世界のビジネスモデルとなる日本型M&A

こうした企業側の問題を解決するために辻・本郷ビジネスコンサルティング株式会社はじめ、4団体で一般社団日本事業継続支援機構(通称サステナ社団)を立ち上げ、中島氏が代表に就任した。

「この財団のモットーは社長に集約させないこと。経営の組織化を進め、極論すれば社長不在でも経営できるように組織運営のお手伝いをしていきます。そして、時が来た時には事業承継のサポートができるようにしています」

経営者の感情的な問題に対しては中島氏も率直に、エモーショナルに対応していく。
「経営者に対してはもちろんリスペクトがあります。しかし、海外との競争や国内の問題、大きなものから小さなものまで考えた時に、ご自身のプライドよりも日本のこれからを大切にしてほしい、そういった話をお伝えしています」

競合他社には単に顧客を持ち上げ、仲介業者として利益をあげるだけの企業も存在する。しかし、それは自分の役割ではないときっぱりと言い切る。
「信念です。日本の企業を守るという私の信念。そこに反することはいかにお金になったとしてもやりません」

この事業承継に対する熱い思いは、中島氏自身の人生観によるところが大きい。
「時代の風雲児になるのが必ずしもいいとは思いません。歴史を振り返ればわかりますが、その時代だけで人の評価は決まらないと思うんです。生きている間に成り上がるよりも、後世に名を残すほうが性に合っています。とにかく人のためになりたい、べたな話ですが私自身そこにしか喜びを感じられないんです」

これから中小企業事業承継にともなうM&Aは加速し、中島氏の果たす役割はより大きくなっていくだろう。日本での事業承継問題を解決できれば、このビジネスモデルは世界、特にアジア圏で通用するものになる。

「人口ボーナス期が到来している東南アジア各国は、いずれ日本と同じ問題に必ずぶつかります。大企業に向けた欧米型M&Aはどこにでもありますが、今私たちが取り組んでいる中小企業のM&Aは世界でもほとんど例がない。特に情が深く絡む日本でM&Aが成功すれば、アジア圏はもちろん世界で通用するビジネスモデルになると期待しています。日本で貢献できた後は、世界に出ていきたいと考えています」

ワン・フォア・オール、オール・フォア・ワンの精神で、日本と世界の中小企業を救うNo.8の挑戦は続いていく。

中島光夫

Growthix Capital株式会社 代表取締役
https://growthix.co.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。