
水性フロアコーティングが「当たり前」の世の中に
生き方・働き方の多様性が進んだことで「マイホームは一生に一度の買い物」という概念は薄れつつあるが、人生の大きな分岐点の一つであることは間違いない。
しかし、知識が無いがゆえに、業者に言われるがまま契約を交わす消費者は多い――。
こう警鐘を鳴らすのは2014年よりフロアコーティング事業に従事する株式会社LSC代表取締役の中尾高明氏だ。
LSCがビジョンに掲げるのは、「フロアコーティングの選択肢が【水性のみ】になる世界を作る」
フロアコーティングとは、家やマンションなどのフローリングに樹脂を塗布することで汚れや傷から守り、美しさを維持するもの。ワックスとの違いは、硬度や耐久性、施工性、機能性にある。
ワックスは、艶を出し見た目をきれいにする美観性を目的としており、フローリングの保護までは至っていない。なぜなら半年に1度ほどアルカリ性薬剤である剥離剤を使ったメンテナンスをする必要があり、それによって木材を傷める可能性が高いからだ。
「フローリングの種類自体も変わってきていて、最近だと表面に木目調のシートが貼られたシートフローリングが主流。シートフローリングとワックスの相性は悪く、フローリングを長持ちさせたいお客様にはフロアコーティングの施工をおすすめしています」と中尾氏は言う。
フロアコーティングは長期にわたって床を保護するので頻繁に塗り直す必要がなく、水や汚れ、アルコールに強い。滑りにくくなるなど機能性の向上も期待でき、小さな子どもや高齢者、ペットのいる住居では需要も高いだろう。
フロアコーティングには大きく分けて水性と油性がある。少し前まで現場塗装工事といえば油性塗料を使用するのが一般的だったが、今では水性塗料が主流だ。溶剤が水であり張替えや部分的な修正が可能であること、シンナーやキシレンといった人体に影響を及ぼす有害物質が少ないことが理由に挙げられる。
「ひと昔前と比べて、町の工事現場からシンナーの臭いが漂ってくることも減ったのではないでしょうか」と中尾氏は指摘。ちなみに東京タワーも2006年頃から塗替えに水性塗料を使用し始めている。
「塗装の知識があれば、フロアコーティングに油性を使うことは考えられません。しかし、不動産仲介業者やハウスメーカーにフロアコーティングの知識がなく、お客様が勧められるまま契約してしまっているケースが後を絶たないのです。お客様にとって住宅を買う機会はそう頻繁にあることではなく、そのために建築や塗装に関する全ての知識を仕入れることは難しいでしょう。だからこそ、我々がプロとしてお代をいただく代わりに、本当にお客様のためになることは何かを追求する必要があると思っています」
水性のフロアコーティングが最善の選択であると確信し、施工者の技術や生涯にわたるアフターフォローを含めたトータルサービスを提供。「縁の下」ならぬ、「縁の上」で顧客の暮らしを支えている。