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中越達也
NAKAGOSHI TATSUYA

中越達也

株式会社センターモバイル 代表取締役

常に時代を先取る「無料」を武器に、
メジャー携帯キャリアへ果敢に挑戦。
携帯料金を無料に――。株式会社センターモバイルの代表取締役を務める中越達也氏の語る展望は、明確かつ大きな訴求力を持つ。3大キャリアを「乗り越えるべき存在」と言い放つ32歳の若手経営者の目には、通信業界の未来がどのように見えているのだろうか。事業の社会的意義を語る中越氏の瞳には、揺るぎない信念が宿っている。
中越達也
スマホは最高のコンシェルジュである

中越氏のモットーは「挑戦の結果は『成功』と『学習』しかない」。その言葉に違わず、これまでの歩みは果敢な挑戦の連続だ。学生時代から、通信販売などネットビジネスのコンサルティング業を手掛け、さまざまな企業の売上アップに貢献。25歳でイタリア製レザーを使ったアパレルブランドを立ち上げ、国内百貨店やミラノのハイブランド街へも展開している。

そんな中越氏が、現在「ほかの事業をすべて辞めることになっても成功させる」と意気込むのが、2020年に本格スタートした携帯キャリア事業だ。

「元々、『20代は好きなことをする。30代は社会のために、40代は世界のために働く』という思いがあり、社会的意義の高さから着目したのが通信インフラ事業でした。とくにスマートフォンは、今や多くの人にとって生活必需品。携帯電話に関する課題解決は、社会に大きな影響を与えると考えました」

携帯電話に関する世界共通の関心といえば「料金」だ。携帯料金が安くなれば、あらゆる人々の恩恵となることは間違いない。中越氏はスマホの機能や携帯キャリアのビジネスモデルを徹底調査し、低価格スマホでの新規参入の道を探った。

活路となったのは、ITコンサルティングで培ったインターネット広告の知見だ。広告再生で得られる広告収益によって大幅な携帯料金値下げが可能であり、さらに理論上「携帯料金最大ゼロ」が実現できると確信したのだ。

「GoogleやFacebookは効率の高い広告により世界を席巻しましたが、100%効果的な広告はありません。例えば、ゲームが嫌いな人も毎日のようにゲームの広告を目にしますから、まだまだ無駄が多いのです。その点、スマホは人が常に持ち歩く『最多接触デバイス』。アプリや位置情報などで趣味嗜好や行動などをきめ細かく把握できることが特徴です。『最適×最多』な広告で、ユーザーの好みやニーズに応える『コンシェルジュ』になり得ると考えました」

ビジネスモデルや技術に特許を出願している、同社の格安スマホの大まかな仕組みはこうだ。スマホから得たビッグデータをAIにより解析し、ターゲット広告をプッシュ通知で表示。広告再生による収益をユーザーに還元し、携帯料金を最大0円まで下げる。個人を特定する必要はなく、プライバシーも保護されている。

「すでに数千人のユーザーは、毎月の携帯料金ゼロです。広告効果の高さから広告主の評価も高く、解析精度を上げることで、携帯料金ゼロのユーザーの割合は、さらに上がるはずです」

こう語る中越氏の目標は、4大キャリアのひとつといわれる存在を目指すこと。現在の3大キャリアは、ライバルと呼ぶにはあまりに強大であり、途方もない発言のようにも思える。しかし、当の中越氏には気負った様子は微塵もない。

「現在、多くの方が、音楽や映画を無料で楽しんでいます。大々的にCMを展開しているゲームの多くも無料で遊ぶことができますし、LINEならすでに音声通話も無料です。つまり、『無料』は常に時代を画するのです。しかし、大手キャリアが現在のビジネスモデルで携帯料金無料を掲げることができるかといえば、難しいでしょう。当社は無料を掲げた時点で、すでに大きくリードしているんです」

中越達也
「4大キャリアを目指す」その勝機とは

認知度では大手にかなわなくても、「携帯料金最大ゼロ」ブランドの存在感は、確実に増していくとの確信がある。

「毎月の携帯料金をいくら払ったのか、把握できていない方も多いでしょう。使用状況に見合わない料金プランや余計なオプションで、知らず知らずのうちに高い料金を支払っていることもあります。ユーザーを不利益に誘導する『仕掛け』があるのです。一方、私たちの事業の『仕掛け』は携帯料金を下げ、ゼロに近づけるためのもの。その結果として私たちの利益が生まれます。その違いは今後、確実に現れてくるでしょう。あとは信頼を積み重ねるだけです」

多くのユーザーを獲得することにより、さらに今後の展望は広がると中越氏はいう。そのひとつが、コロナ禍で苦境に立つ観光事業への進出と、それに伴う地域活性化だ。

「あるアンケート調査では、お金があればやりたいことのトップは『旅行』でした。人間と行動を共にするスマホの広告は、旅行業と親和性が非常に高いんです。日本には行きたくなるような魅力ある地域やイベントが多数あり、タイムリーな情報提供を行えば観光業は蘇るはずです。携帯料金を節約したお金で、日本全国の名所に旅ができるような仕組みを構築したいと考えているところです」

「携帯料金ゼロ」の強い訴求力を、様々な社会課題の解決力に転換していく。中越氏の言葉は、未来を見据えた強い決意や信念を感じさせてくれた。

中越達也

株式会社センターモバイル 代表取締役
https://centermobile.co.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。