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宮内暁雄
MIYAUCHI AKIO

宮内暁雄

ELTEC株式会社 代表取締役

人々の暮らしに欠かせない
電気のプロフェッショナル
工場やビル、マンションで使用される電気をコントロールする制御盤。2016年に創業したELTEC(エルテック)株式会社は、制御盤の設計・製造のみならず、設置工事、メンテナンスまでトータルで行える点が強みだ。そんなELTECが、未来を見据えて取り組んでいる新たな挑戦とは。
宮内暁雄 画像はイメージです。
手がけた制御盤に電気が通う瞬間にやりがいを感じる

工場の生産ライン、ビルやマンションで使用されるポンプや空調、照明などの機械や設備は電気で動いているが、その電気を自動でコントロールするための各種電気装置を納めたボックスを制御盤と呼ぶ。大阪市住吉区のELTEC(エルテック)株式会社は、2016年に創業した、制御盤・配電盤・計装盤の製造会社だ。

制御盤に関しては、設計・製造する会社、設置工事をする会社、メンテナンスの会社がそれぞれ存在するが、ELTECはそのすべてを幅広く行える点が大きな強み。また工事に関しては、変電設備の工事も可能で、設備の設計製作も手がけている。「古い雑居ビルなどは、制御盤の製造元や設置した会社がわからなくなってしまい、困っているオーナーさんも多い。弊社では、メンテナンスはもちろん、必要に応じて盤の交換やアップグレードも含めた提案を行えます」と語る、代表取締役の宮内暁雄氏。現状では製造がメインだが、設置とその後のメンテナンスまでトータルで手がける案件を増やしていくことが目標の一つだと言う。

高校時代は機械科で学び、卒業後に機械設計の会社に就職した宮内氏。しかし体を動かすことが好きな氏にとって、一日中パソコンの前に座って仕事をすることは想像していた以上に苦痛で、長く続かなかったと言う。そしてアパレル販売員のアルバイトをしていたが、高校時代の同級生の紹介で制御盤などの製造会社に入ったことが氏にとって最初の転機となった。施設によって求められる機能は異なるので、制御盤は基本的にオーダーメイド。要件に応じて必要な部品や装置を組み合わせてつくっていく。

「自分が組み上げた制御盤に電気が通うことで、施設のさまざまな機械や設備がきちんと動く。それが純粋におもしろいと思い、同時にやりがいを感じました」。ところがその会社は7年で廃業。その前に会社を継がないかと打診されたが、断ってしまった。「当時は経営者になる覚悟も度胸もありませんでした。しかし同時に、自分にも何かできるのではないかという気持ちも芽生えた気がします」

宮内暁雄
自社製品開発を通じて夢を形にできる会社を目指す

その後、宮内氏は制御盤関連の複数の会社を渡り歩き、光栄エンジニアリングで2度目の転機を迎えることとなる。同社はメンテナンス会社だったが、宮内氏の経歴と能力を見た社長から、製造部門を立ち上げてみないかと声がかかったのだ。

「ものづくりの楽しさが忘れられなくてこの業界にいたので、二つ返事で引き受けました。ただこれまでと違ってただ依頼されたものをつくっていればよいというわけではなく、部門全体の採算のことも考えなければならないので神経をすり減らしました」
しかし苦労の甲斐あって約2年で事業を軌道に乗せることができ、大きな自信になったと言う。そのタイミングで社長から独立を後押しされて起業に踏みきり、今日に至る。

他の製造業と同様に、盤製造業界も働き手の高年齢化が大きな課題となっている。次世代の若手を育てるためには、自分がそうだったように、ものづくりのおもしろさ、楽しさを知ることが重要だと宮内氏は語る。

「弊社の若い社員でも、それがわかっている子は目が活き活きとしている反面、わからずに辞めてしまった子もいる。その違いは、実際に自分が手がけた機械が動くところを見る機会があったかどうかだったと思うんです。電気は目に見えないのでおもしろさが伝わりづらいですが、できるだけそれを見える化してあげたいですね」

その意味もあって今新たに取り組んでいるのは、制御盤とは異なる自社製品の開発だ。
「製造業として、自社のマークを冠した製品をつくることは大きな憧れ。社員とその家族が見て『これうちの製品なんだ』と誇れるものにしたいですね。みんなでアイデアを出しあって進めていますが、有力候補はレトロ自販機。私の祖母がうどんの定食屋をしていたこともあって、まずはうどんがいいかなと思っています」

近年じわじわと人気を取り戻しているレトロ自販機だが、古いものはメンテナンスも大変。そこでレトロ&シンプルな味わいはそのままに、中身が最新の製品をつくろうという考えだ。
「日本は世界に比べると自販機が多いことで知られています。コロナ禍が治まって外国人観光客が戻ってきたとき、ユニークな自販機があれば街を盛り上げる一助になると思います」。経済産業省の事業再構築補助金も活用しつつ、1年後には試作機完成まで漕ぎ着けたいと語る宮内氏。

「まずはこの事業計画を早く次のステップへ進めていきたい。そしてこれを機に社内で夢を気軽に話せる環境をつくって、経営理念として掲げている『可能性に挑戦しくらしを守ります』というのを意識しつつ、みんなの夢を形にできるようにしていきたいですね」

宮内暁雄

ELTEC株式会社 代表取締役
https://www.eltec2016.com/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。