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三宅秀一郎
MIYAKE SHUICHIRO

三宅秀一郎

グローバルシェア株式会社 代表取締役

“困声応”の精神で事業を拡大し、地元・福島の復興に貢献する
福島に拠点を置き、建機リース会社専門の自走回送サービスと、軽貨物輸送サービスを全国で展開するグローバルシェア株式会社。代表の三宅秀一郎氏が同社を立ち上げたのは2014年。契機となったのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災だった。
三宅秀一郎
建機車両の自走回送・軽貨物輸送体制を構築

「以前は東京で働いていたのですが、震災の前年に母が急死し、精神的に不安定になってしまった家族のケアをするため、実家のある福島県の郡山市に戻ることにしたのです。その後、東日本大震災が起こり、私が住んでいた郡山市内はもちろん、南相馬や宮城の気仙沼など、沿岸部の被害も目の当たりにしました。まさに地獄絵図となったその光景を見て、今後の人生では、故郷の福島や東北の復興復旧の一翼を担う仕事をするべきだと決意したのです」

福島をはじめとする当時の被災地で、三宅氏の脳裏に焼き付いていたのが、何台もの大きなトラックが瓦礫を積んで走る光景だった。同時に、三宅氏が“第二の父”と慕う地元の知人から、被災地に建機やトラックなどの車両を運び込む仕事のニーズを聞くうち、頭にぼんやりと思い浮かんだ点と点が、一本の線として繋がった。

「日本には有力な建機リースの会社がいくつかあり、大きな現場ではそうしたリース会社の全国の営業所から、大手ゼネコンや地元の建設会社などが仕切る現場に建機車両が貸し出されています。とはいえ、営業所から現場へ、そして現場から現場へ建機車両を運ぶリソースは、決して十分ではありません。そこで、まずは被災地の復興復旧に携わる建機リース会社様の建機車両の自走回送や軽貨物輸送を担うべく、グローバルシェアを立ち上げたのです」

当初は社長の三宅氏と女性事務員の2名のみ。飛び込みで地元の営業所をまわり、最初の依頼では三宅氏が自らハンドルを握った。そこから約8年の間に、東北から北関東、関東一円、東海、中部地区にまで事業を拡大。今では総勢260名を超える契約ドライバーを抱え、これまでに延べ150万台を超える建機車両や軽貨物を目的地へと運ぶなど、確固たる実績を積み上げてきた。

成長の源泉となったのは、三宅氏が創業時から大切にし、本社の看板やスタッフが着るジャンパーにも書かれる“困声応”の精神だ。

「国土のインフラを支援する仕事として、建機リース会社様の“お困りの声に即応”する。創業時からそれだけを考え、儲けを度外視して一便一便の仕事に取り組んできましたし、本当に不可能なもの以外は、すべての依頼をお受けしてきました。そうした姿勢に加え、当日の急なご依頼にも迅速に対応できる機動力や、ドライバーの質の高さが、競合他社にはない私たちの大きな強みになっています」

三宅秀一郎
全国展開の先に見据える将来展望

グローバルシェアの事業を支えるドライバーは、全員が個人事業主。同社の流儀を知り尽くすベテラン指導員と現場を共にする3日間の初期研修を経て、資質を認められたドライバーとのみ業務委託契約を締結する。

2017年には、次々と入ってくる依頼を管理し、ドライバーとマッチングさせる独自のシステムとスマートフォン用アプリ(GSドライブ)も開発。コールセンターで依頼を受けるオペレーターと全国のドライバーがアプリで繋がることで、当日を含む急な案件にも迅速かつ正確に対応できる体制を整備した。

今では広範なエリアに事業を拡大し、今後は大阪をはじめとする西日本や北海道など、日本全国への展開も予定するが、「郡山の本社以外に支社や拠点を構えるつもりはありません」と三宅氏は話す。

「東日本大震災をきっかけに、福島や東北の力になりたいという思いで起業した会社なので、税金は福島に払い続けたい。さらには福島県内での雇用を拡大したいという思いもあり、今後は首都圏の企業水準を超える給料で働く地元の社員を増やし、全国からの受注を福島でお受けしたいと考えております」

大手建機リース会社は全国に営業所を持ち、担当者の移動も少なくない。グローバルシェアのサービスがまだ提供できていないエリアに移動した担当者からは、同社のサービスを待ち望む声も多く聞かれる。

「そうした声に応え、少しでも早く全国に展開することが第一の目標。そして全国展開が実現した次のフェーズでは、新車のトラックを運ぶ事業もスタートさせたいと考えています。さらにその先の最終フェーズでは、個人の方々が所有する乗用車を運ぶ事業も展開したい。この先の人生で、そこまでは必ず実現したいと考えています」

“困声応 ”の精神を実現するため、社長自身が常に臨戦体制でいることはもちろん、本社では鳴り止まない注文の電話に社員たちが必死で対応してくれる。新たな土地に進出する際には、社長である三宅氏と寝食を共にしながらの新規営業を、自ら買って出てくれるベテランドライバーの存在もある。

「今後も頼りになる仲間と共に私たちの“流儀”を全国に広げ、業界のトップランナーとして走り続けたいと思っています」

愛する福島の復興と発展を支えるために、三宅氏の目線は常に未来を見据えている。

三宅秀一郎

グローバルシェア株式会社 代表取締役
https://www.global-share.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。