Powered by Newsweek logo

三浦和英
MIURA KAZUHIDE

三浦和英

株式会社ラビプレ 代表取締役社長

青森を美容と健康の一大産業地に
『空は青く 雪は白く 林檎は赤く 女達は美しい国』。青森県弘前市出身の作家・石坂洋次郎の言葉である。美人が多いという津軽から日本全国、世界にまで届く美容商品を開発し続ける男がいる。株式会社ラビプレ代表の三浦和英だ。
その三浦は和服で現れた。
「日本特有の文化は実は、鎖国を行っていた江戸文化と、交流手段をもたなかった縄文文化しかないのです。私の故郷・つがる市は、亀ヶ岡遺跡に代表される縄文文化の中心地でした。
最近では、世界文化遺産の候補にも選ばれました。私も和装にしてみました」
三浦和英
元園長先生の熱血エンジンは子どもたちの未来

「人生の振れ幅は大きい方でしょうね」と笑う、株式会社ラビプレ代表の三浦和英。それもそのはず三浦は、現在の事業を立ち上げる以前は保育園園長という人生を送っていた。

「リンゴ畑に囲まれたのどかな保育園。私が初代園長で、集まった子どもたちは32人。このうち年長さんが6人。この6人を卒園させるために毎日てんやわんやでした。かっこよく聞こえるかもしれませんが、あの頃は子どもたちの明るい未来をつくるにはどうすればいいか?と真剣に考えていました」

ちょうどその頃、北海道夕張市が財政破綻を起こす。地方都市消滅という言葉が現実味を帯びた。その状況に三浦は決意を固める。なんの当てもなかった三浦だが保育園を実弟に託し、単身東京の社会人大学へと入学。まさに人生の一歩を踏み出したのである。

東京・虎ノ門にある金沢工業大学院、この大学院でビジネスと知的財産を学んだ。ここで得た知識と人脈が三浦のビジネスの根幹となっている。
「とにかく実学を主眼においた大学院ですから、周りの生徒たちも現役のビジネスマンばかり。青森に居続けては味わえない体験ができました」

1年のコースを修了したとはいえ、三浦の頭には具体的なプランはまだなかった。そんなときに大学院同期である化粧品会社の課長さんから「青森の名産で美容商品の開発ができないか」という相談が舞い込んで来たのである。

「直観的に思い浮かんだのはリンゴです。リンゴ加工品から搾りかすが大量に出ることは知っていたので、商品化するためにレポート作成を始めました。すると搾りかすにもセラミド、ポリフェノール、ペクチンなど美容化粧品・健康食品に使えそうな素材が眠っていた。これだ、美容関連なら子どもたちの明るい未来が作れるんじゃないか、そう思ったのです」

三浦和英
団塊ジュニアにしかできない地方創生

弘前大学は積極的に産学官連携を進めており、三浦のオフィスは弘前大学のキャンパス内にある。これは美容・健康食品のデータを扱う三浦にとって非常に有利な環境だ。そこから生まれたのがスキンケア商品「ラヴィプレシューズ APGライン」である。リンゴから採れたAPセラミド、鮭鼻軟骨由来のプロテオグリカン、津軽甘草からグリチルリチン酸。まさに津軽の自然から汲みとった一品である。

刮目すべきはそのパッケージ。世界遺産・白神山地にある青池。その青緑の水面に広がる波紋の写真を使ったデザイン性の高い外装は、日本パッケージデザイン賞化粧水・香水部門に入選したほどで、ステレオタイプなご当地名産品とは一線を画すアイテムである。

「青森だからリンゴ、ではただのお土産にしかならない。青森には白神山地という世界遺産、世界に発信できるツールがある。しかしおもしろいもので、地元にいるとその良さに気づきづらい。外装は仙台のクリエイターと作ったのですが、彼が青池を見て『これだ!』とひらめいたのです。私自身、青森県外の方から言われて初めてその価値、青森の財産に気づいたくらいです」

「ラヴィプレシューズ」の販売は好調だが、三浦は美容商品だけで終わるつもりはない。大目標は青森から発信する地方創生である。

「プロテオグリカンを中心とした地場産業クラスターを作る。美容と健康を青森の一大産業にしたいと思っています。雇用創出は特に大事と考えております。それも豊かな生活ができるための雇用です。仕事があれば人は集まってくる。もしその地方にノウハウがなければ、企業誘致という手段は可能性を大いに広げてくれます」

実際、三浦は福岡県のコールセンターの弘前市への誘致活動に関わっている。なぜ、福岡県か。その理由がおもしろい。もともとは化粧品販売で知り合った縁だが、三浦は九州人の義理と人情に厚く、商売上手であるという人柄にとても影響を受けたという。

こうした三浦の地方創生にかける思いには、団塊ジュニア特有のものがある。
「団塊世代の父が9年前に他界するまでは、閑散となってしまった地方経済や少子高齢化などの社会問題も、団塊の世代がなんとかするんだろうと思っていました。父の死に際し、悲しいという気持ちとともに、「焦り」を感じたのです。これからの地方創生は、私たち団塊ジュニア世代がやらなくてはならない。私たちにしかできないやり方で地方を創生する。その気持ちでこれからも熱く働いていきたいと思います」

三浦和英

株式会社ラビプレ 代表取締役社長
https://www.laviepre.co.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。