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三川謙二
MIKAWA KENJI

三川謙二

株式会社ミカワ 代表取締役

重量物輸送に特化したプロ集団として、豊かな社会の実現に貢献してきたい。
特殊車両を用いて行う、重量物輸送専門の運送会社である株式会社ミカワ。広島県を拠点に、中国地方はもちろん、そのネットワークは全国へと広がっている。過去には倒産という最大の窮地も経験した同社が、いかにして現在の繁栄を築いたのか、代表取締役の三川謙二氏に話を聞いた。

土木工事や建設工事で使う大型機械や資材など、重量物の輸送には、特殊車両とそれらを扱うことができる専門スタッフが必要となる。そして、この分野に特化して事業を展開し、成功を収めているのが、広島県に本社を置く株式会社ミカワだ。

前身となる三川運輸株式会社は1951年に創業。地域の有力企業として飛躍を遂げたが、バブル崩壊とともに業績が悪化。2005年には代替わりをして立て直しを図ったものの、4年後に倒産。創業者の孫である三川謙二氏は、その栄枯盛衰を間近で見ていた。

2000年に三川運輸へ入社し、現場作業員として経験を積んだ後、2009年に倒産からの再起を託され、新会社のミカワを設立した。

「マイナスからのスタートでまさに自転車操業でした。その状況を打破すべく、顧客に対して発注金額の上方修正をお願いすることにしました。『お客様は神様です』の精神で言われるがまま、社員や下請会社には無理を強いていましたが、厳しい単価の案件は値上げを交渉するようにしたのです。会社と社員を守るために、単価を変える、お客様を入れ替えることは不可欠でした」
三川謙二
仕事の質に対する追求が社員の意識改革を促した。

金額は言い値で、他に安くできる会社があれば簡単に仕事が奪われていた当時、値上げで仕事がなくなってしまうと、反対する社員も多かった。金額勝負ができないならと去っていく顧客もいた。

「救われたのは、改めてミカワの価値を認めて、値上げに応じていただけるお客様がいたこと。さらに新たなお客様からの受注も増えました。結果的に案件数は減りましたが、売上はアップ。そこでお金は回すものであって、貯めようとすると衰退するという信条の下、積極的な設備投資を始めました。特殊車両を大量に購入し、より多くの仕事をこなせる体制を整えることで、好循環を生み出すことができたのです」

どん底から這い上がったミカワは、次なるステージへ向かう。運送会社は人、車、そして顧客がいないと強くなれないとの思いから、15年頃から急激に増員・増車を図っている。

「ただ数を増やすだけではなく、質の向上も目指しました。ドライバーの賃金引上げを行い、車両は新車で揃え、ハイスペックな特殊車両も導入。すると、社員にも変化が現れました。やりがいや喜びを見出し、自信と誇りをもって働くようになったのです。求人にも優秀な人材が集まるようなり、こうしたすべての変化が会社の成長へ繋がっていったのです」

一方、営業強化のため、ホームページやSNSも活用して情報発信を活発化。さらに、営業拠点として19年4月に大阪、20年10月に東京オフィスを新設した。特に東京はコロナ禍での進出だったため、周囲には心配されたという。

「人生一度きり。明日がどうなるか、誰にも分かりません。新型コロナウイルスの問題は誰にとっても想定外のことでした。でも、誰かが流れを変えないといけない。それなら、他の誰かを待つのではなく、自分がやる。そういった意気込みでの東京進出でした」

三川謙二
目指すのはもっと心が燃えるような“すごい会社”。

70年に及ぶ重量物輸送に特化した事業実績、種類も台数も豊富な特殊車両の保有規模、それらを扱うことができるドライバー陣は、ミカワの何よりの強みだ。加えて自社整備工場も完備し、近年は整備スタッフの充実にも注力した。その結果、点検修理の対応はより迅速に、安全面も一層強化されている。

急速に事業を拡大する同社の勢いは競合他社にとっては脅威だが、その一部が同社に追随するように従業員の労働環境を改善するなど、業界全体の環境改善に一役買っている側面があることも見逃せない。そして、今後も夢は膨らむばかり。

「東京は首都高をはじめ、老朽化した道路やビルの再建ラッシュが見込まれます。一方、東京一極集中はやめて、地方を再開発して活性化しようという動きも盛んです。ミカワは、そのお手伝いができます。工事に必要なものを何でも、どこへでも運び、豊かな社会の実現に貢献していきたい。もし九州と中国がトンネルで繋がれば、地元・広島からヨーロッパまで陸路で行けるようになりますから」

今のミカワは”いい会社“だが、これからは心が燃えるような”すごい会社“や”強い会社“にしたいという三川氏。売上100億円を、近い将来の目標に掲げている。

「現状の売上は約10億円ですが、ゴールを設定して、そのための営業戦略や事業計画は、日々走りながら練っています。基本的に即決断、即実行。動きながら考えるのが私のやり方なので。このまま突っ走って、突き抜けていきます」

圧倒的なポテンシャルと開拓精神で日本中、いや世界中をミカワの車両が駆け巡る日も、そう遠くないかもしれない。

三川謙二

株式会社ミカワ 代表取締役
http://www.3kawa.com/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。