
体験をシェアすることが最強の起業家支援
人間の脳には、Dynamic center core(ダイナミックセンターコア)と呼ばれる神経群が存在する。ありとあらゆる情報が雪崩のごとく流れ込んでくる場所だ。その名称を夢の啓示からつけたと語る牧野氏は、自らの職業を事業家でもコンサルでもないと語る。
「当社は、いわゆるコンサルティング業を行っているわけではありません。自ら事業を起こし、ビジネスの最前線に立ち続け、その経験を起業家たちにフィードバックするのが私の役割です。一般的なコンサルは自らリスクを取りませんし、その論理はあくまで机上のもの。私は実体験を顧客のみなさんとシェアして共に歩む、良き相談役であり、心に火をつける存在でありたいと思っているんです」
そんな彼の職業はフィールドクリエーター。ビジネスの根本は集客であり、人が集まればお金が生まれる。魅力的な人と場所を創り出し続けるのが彼の使命である。
「人の感情が動くところにビジネスは発生します。そして魅力とは何か、それは明確なビジョンです。ビジョンが明確なところに人とお金が集まるものなのです」
起業家のバックアップではなく、彼らをけん引していく存在である牧野氏が何度も繰り返す言葉がある。「今からの努力でどれだけ現実を変えていけるか」。それは彼自身が体感してきた真実であり、顧客に最も伝えたいメッセージのひとつである。
「世間は学歴や職歴など変えられない過去に対して評価をします。そういう世の中を変える手立てはないか、考えた末に出てきたのが起業でした。起業に過去は不要です。学歴ではなく、今からの努力で現実を変えていける、その思いで起業支援を行っているんです」
本当は自分が何をしたかったのか? その問いを多くのビジネスマンに熟考してほしいと彼は語る。そのビジョンを明らかにし、未来から提示される選択をいかに現実化していくか、それが人生のターニングポイントになるというのだ。
「一緒にチャレンジしていくと決めた人の人生のスティックは決して離しません。何があっても相談に乗りますし、一緒に乗り越えていく。諦めなければ人生は好転するということを私自身体感していますし、その経験は私の強みでもあるんです」
一見、そうした言葉は精神論のようにも聞こえるが、それは違う。何より牧野氏自身がチャレンジャーであり、努力は裏切らないことを証明し続け、その戦いの最前線に自らが立っているからだ。失敗ですら貴重な体験なのだと彼は語る。
「失敗してもその経験がとても重要です。そこからまた考え方や価値観、物事のとらえ方をいかにトレーニングしていくか。障害に対して、結果が出る人はその解釈が絶対的に違う。ですから、まずは自分の解釈を結果にコミットする人に合わせることが大切なんです」
こうした成功者の価値観や考え方の根本を講演やセミナー、セッションなどで培っていくのが牧野の主な活動領域である。しかし彼は決してアドバイスをしない。行っているのはあくまでも、体験のシェアである。
「アドバイスとシェアは全く違います。コンサルとは決定的にスタンスが違うんです。自らの体験をシェアして、成功のバトンを次から次へと渡していきたいんです」