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軽部凌
KARUBE RYO

軽部凌

株式会社SPECA 代表取締役

それぞれの企業や人に光を当てるSNSを使った唯一無二のブランディング
15歳で起業して以降、独学でビジネスやウェブマーケティングを学び、SNSを活用した独自のマーケティング理論を構築。8社の企業でマーケティングの最高責任者として活動したのち、2019年に株式会社SPECAを立ち上げた軽部凌氏。国内外の企業から、経営者や芸能人といった個人までを顧客に抱える軽部氏に、起業に至った背景や、現代に必要なSNSマーケティング戦略などについて聞いた。
軽部凌
画像はイメージです。
膨大な失敗事例から導くマーケティング理論

軽部氏が初めてビジネスとしてウェブサイトを立ち上げたのは15歳のとき。
「普通のサラリーマンの家庭だったのですが、幼い頃からお金を稼ぐためには価値の高いものを生み出さなければならないという思いがありました。そこで、まだ中学生だった自分に何ができるかを考えて、当時よく聞くようになっていた“ベッドタウン”というキーワードに特化した、北関東エリア限定の不動産検索のウェブサイトをつくろうと思いついたんです」

軽部氏が立ち上げた不動産検索サイトは5万人の会員数を誇るサイトへと成長し、約1年後には不動産系の企業への売却にも成功。その成功体験からウェブマーケティングの面白さに目覚め、以降は独学でインターネットビジネスのノウハウや知識を蓄積し、大学では集客の要となる行動心理学や認知科学を専攻した。そして大学を卒業後は、若くして8社の企業でCMO(最高マーケティング責任者)として活躍するなど、その才覚を遺憾なく発揮。

そんな軽部氏が構築した独自の手法が、先人たちの成功モデルではなく失敗例を分析することから始まるマーケティング戦略だ。
「世の中には成功者の哲学や戦略が書かれた書籍などは溢れていますが、私自身は昔からそうしたものに興味がありませんでした。なぜなら、たとえば幼少期から親の経済力や何にでも挑戦できる環境に恵まれているなど、多くの成功者には『前提条件がある』と考えているからです。対して、失敗には共通する前提条件が少なく、ある意味では失敗の数だけ原因があります。そうした膨大な失敗事例を徹底して収集・分析すれば、『限りなく失敗要因を抑えた経営戦略』を導き出すことができる。結果として、成功の再現性を高めることができるのです」

そもそも軽部氏には幼少期からの吃音があり、人とは異なる前提条件でこれまでの人生を生きてきた。独学で学んだウェブマーケティングや、大学時代から学びを深め続ける脳科学や行動心理学、人身掌握などの心理学をバックグランドに、企業や個人それぞれの前提条件を見極めたマーケティングやブランディングをサポートする。自身が持って生まれた資質や前提条件から導き出されたそんな軽部氏の理論は、たとえば現在のコロナ禍のような、予期せぬ状況にも動じない“強い組織”の構築や経営戦略にも活用できるという。

軽部凌
SNSの本質的な活用から自走までを支援

現在、株式会社SPECAが事業の柱とするのは、SNSを活用したプランディング・プロデュースと、企業や士業に向けたSNSマーケティングのフルサポート。企業の経営者から芸能人、YouTuberやVTuberなどの個人から、各業界のトップランクに位置する企業まで多くの顧客を抱え、そのすべてのマーケティングやブランディング戦略の立案を軽部氏が自ら担当する。最近ではSNSマーケティングを支援するサービスは増えているが、その多くはフォロワー数や閲覧数の増加のみに注力したものだ。とはいえ、「SNSの活用はあくまでもマーケティング活動の一部であり、それだけで効果を出すことはできません」と軽部氏は話す。

「SNSは“リアルの延長線上”であり、相互コミュニケーションで関係性を深めることが重要で、一方通行の広告的な情報発信では十分な効果が期待できません。そこで当社では、より本質的なSNSの活用を企業や個人が導入すべきという考えのもと、SNSを活用した『唯一無二を目指すユニークブランディング』プロデュースを行なっています」
軽部氏のいう“ユニークブランディング”とは、発信する人にフォーカスした記録よりも記憶に残るブランディングのこと。顧客の前提条件やブランディングの目的、「どう見られたいか」という思いなどを深掘りし、SNSを使った情報発信の方法を具体的に指南していく。

「たとえば企業や士業に向けたSNSマーケティングサポートなら、最初の数カ月は私が自ら“中の人”となって発信を担当しながら社員さんへの教育も行い、最終的には社内でSNSマーケティングの“自走”ができる状況までもっていきます。一方、個人の方からのご依頼の場合はブランディングやマーケティングの目的など、それぞれのお客様に応じたサポートをご提供しています」最近では大手飲食チェーンのブランディングとマーケティングにトータルで関わり、11年連続で続いていた赤字を黒字に転換することに成功。地方自治体からのマーケティング依頼を受け、地域活性化に向けた取り組みを支援する機会なども増えている。また、士業のwebマーケティングに特化した教育講座も高い評価を受けて会員数が口コミで増加を続けている。

そんな軽部氏が常に抱いているのが、自らと同じ『吃音』など、何らかの障害があることで自己表現や自己発信が思うようにできない人たちの「希望になりたい」という強い思いだ。

「私も、吃音があるから自己表現ができないと考えていましたが、話すのは得意ではないけれど人とコミュニケーションを積極的に行うことに挑戦してみようと、一歩踏み出すことで自分の考えや思いを伝えられるようになりました。今も自分自身を表現したり、上手く思いを発信したり表現できないことが理由で、『自分は幸せな人生が送れていない』と葛藤している人は多いのではないかと思います。今後は、そうした人たちが発信力を身につけ自信をもって幸せに生きていけるように、SNSを活用したプロデュースで支援する活動も行なっていきたいと考えています」

軽部凌

株式会社SPECA 代表取締役
https://www.instagram.com/ryokunblog18/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。