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金丸直人
KANEMARU NAOTO

金丸直人

GARO株式会社 代表取締役

がん·難病患者専門の介護施設運営を軸に、
“人を幸せにする”事業を積極的に展開。
がん、そしてALS(筋萎縮性側索硬化症)やパーキンソン病をはじめとする難病専門の介護施設を運営するGARO(ガロ)株式会社。同社の施設は24時間看護師が常駐し、痛みの緩和など、患者の状態に応じた適切なケアを行う点が特長だ。
金丸直人 ※画像はイメージです。
曾祖父の介護を機に、看護・介護業界の道へ

「高校2年生まで、将来の夢はパイロットでした」と語る、代表取締役の金丸直人氏。氏が看護·介護業界へ進む契機となったのは、曾祖父が寝たきりになったこと。当時は介護保険もなく、民間も含めたいわゆる介護サービスもほとんどなかった。そこで金丸氏は学業の傍ら自宅での介護を献身的に担ったが、その様子を見ていた母親から看護·介護系の道を勧められたのだという。

看護学科のある大学に進んで看護師資格を取得し、病院のICUで働き始めた金丸氏。当初から、いずれは起業したいという思いを抱いていた。

「具体的なプランはありませんでしたが、がむしゃらに働く中で色々なことを勉強したくなり、資金稼ぎも兼ねてさまざまなバイトの掛けもちを始めました。病院、老人保健施設、訪問看護、看護学校の講師など、同時に7つほど。自分がどこまでできるか試したいという気持ちもありました」

睡眠時間が2時間ほどの生活を2年間続けるなかで、気を失う経験もしたという金丸氏。バイト先のひとつに介護施設があった。そこではあらゆる要介護者を受け入れていたが、専門的な医療処置が必要ながん·難病患者は他の患者に比べてどうしてもケアが行き届かなかった。

「単なる人手不足の問題だけではありません。がん·難病患者の介護においては、スタッフに病気に対する理解と経験が不可欠です。そもそも看護師が24時間スタンバイする介護施設は数少なく、あっても高額。ならばこの難しい分野の専門になろう。リーズナブルに利用できる施設を運営することで、緩和ケアが病院だけではなく介護施設でも可能であると示していきたいと思いました」

そこで金丸氏は2017年に株式会社KANWA PLUSを設立し、がん・難病緩和ケア施設を立ち上げた。とはいえ、実際に看護師兼経営者として事業を始めると、イメージ通りにいかないことも多かったという。さらに翌年、愛知県難病連合会の理事に就任したことで、代表から退くことになった。

「難病連は、基本的に患者さん本人とご家族によって構成されている組織ですが、外部の意見も取り入れたいということで声がかかりました。会社の代表と兼務はできないだろうと思って、経営権は持ちつつも運営からは手を引き、人に任せることにしました。ところが就任してみたら、意外に時間の融通が効くことがわかった。そこで改めて会社をつくったのです」

金丸直人
ベースにあるのは“人を幸せにしたい”という思い

こうした経緯で設立したのが、GARO株式会社だ。名古屋市鶴舞に開いた施設は約60室で、スタッフの数は180人。一般的な介護施設の4倍ほどの規模を有するが、常に利用希望者が待機している状態だ。そこで22年に名古屋市内にもう1軒、さらに23年には名古屋市内に加え、岐阜と静岡に1軒ずつ新規施設のオープンを予定している。将来的には、全国各都道府県に施設を開くことが目標だ。

がん·難病専門の介護施設運営を軸としつつ、GAROでは人材紹介事業や高齢者施設紹介事業、貿易事業、ビューティーサロン運営事業、芸能·モデル事業に至るまで、多彩な事業を積極的に展開している点も大きな特徴だ。

20年に名古屋市の桜山駅にオープンしたトータルビューティーサロン「SALON・GRECO」は、すべてサロン内で完結できるトータルビューティーを行い、9室がすべて個室という異色の形態が注目を集めている。さらに22年には、岐阜県各務原市に1日1組限定の宿をオープンし、ホテル事業にも乗り出す。

それ以外にも、名古屋の魅力を内外に広めていくためのウェブマガジンおよびアプリをはじめとするメディア事業など、構想段階のものも含めると、今後GAROで予定している事業は枚挙にいとまがない。

こうした事業展開は一見脈絡がないように見えて、根の部分は同じなのだと金丸氏は言う。

「核になるのはがん·難病緩和ケア施設の運営ですが、介護施設は保険事業なので、今後予算が圧縮されたりした場合に苦しくなる。いざというときに保険制度に頼らなくてもいいように、他の事業で収益を確保しておきたいという思惑もあります。ただ、私が事業を行うベースにあるのは”人を幸せにしたい“という思い。そのためにいろいろなことをやるのは自分にとって自然なことで、多彩な事業形態もチャレンジの結果です」

目の前のチャンスを勝ち取っていくことで、周りの人に喜びを与えていく存在になりたいと語る金丸氏。最終的なゴールに見据えるのは、財団を設立し、世界中の困っている人を救う活動をすることだ。

「お金を稼ぎ、その稼いだお金で人をどう幸せにするか。寄付するだけでは意味がない。どういう支えが必要かをこの目で確かめながら、追求していきたい。それが私の挑戦であり、夢なんです」

金丸直人

GARO株式会社 代表取締役
https://garo-home.co.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。