"営業とお客様"だけではなく、"人と人"としての付き合いを心がける
「不動産業は、シンプルにやった分だけ稼げる点が好きですが、何よりの励みになるのは、お客様から『御社から買ってよかった』と仰っていただくこと。しかしこれは、単純ながら難しいことです」と語る、株式会社リバード・インベスト代表取締役の梶尾友氏。2017年に設立された同社は、中古集合住宅をメインに、収益物件の売買および仲介、管理事業を手がける不動産会社。収益物件とは、賃貸経営を行うことを目的に所有される投資用不動産のことだ。
「不動産投資というと悪いイメージをもたれる方も多いですが、バブル時代に流行ったキャピタルゲイン(売却益)を得ることを目的とした投資と違って、賃貸経営によるインカムゲイン(運用益)を得ることを目的とする収益物件は、資金力やライフスタイルに応じて無理なく資産形成を目指せる堅実な投資対象です」
営業の際には警戒されることもあるが、それを覆すこともやりがいのひとつだと梶尾氏は語る。
「とはいえ、収益物件の不動産投資で苦労している方がいることも事実です」
運送会社を経て2005年からこの業界に入った梶尾氏は、独立するまでにさまざまな不動産会社で経験を積み、多くの不動産投資家を見てきた。そのなかには、相場より高値で物件を購入してしまい、売るに売れないで困っていたり、入居者がつかない物件を掴まされてしまった人も少なくない。
「その理由のひとつは、成約をいただけないと上司に執拗に責められる会社があるから。その結果、強引な売り方をしたり、売りっぱなしになってしまう。実際に私も以前勤めていた会社で、購入後のフォローをしていたら『そんなことより契約を取ってこい』と言われた経験があります」
入居者を確保するには、物件の管理をしっかりすることが重要なのだが、そのためのアフターケアを丁寧に行う会社は少ないのが現状だ。梶尾氏は独立するにあたり、そうした部分を反面教師として、まったく反対のことをやろうと決意したという。
「お客様とは購入していただいてから一生のお付き合いがスタートする。だから営業スタッフには"営業とお客様"だけではなく、"人と人"としての付き合い方もしなさいと伝えています。それさえ踏まえれば、後はあれこれ口出しせず好きにやらせるようにしています」