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今吉裕之
IMAYOSHI HIROYUKI

今吉裕之

株式会社Wholelife 代表取締役

小さな積み重ねが生む大きな成果で、
マーケティング業界に新風を吹き込む。
ネット回線や新電力、ガス、ウォーターサーバーなどのダイレクトマーケティング事業を柱に、提携企業の商材を全国に展開するパートナー事業やコールセンター事業など、多様な事業を展開する株式会社Wholelife。2018年の創業以来、ビジネスを拡大・成長させ続けながら、ダイバーシティー&インクルージョンの推進にも注力するなど、先進的な取り組みを行う同社の今吉裕之代表取締役に話を聞いた。
今吉裕之
画像はイメージです。
満たされなかった20代が原点

株式会社Wholelifeで働く社員の男女比率はそれぞれ約50パーセント。「次代を担う若い社員が安心して働ける環境をつくりたい」との今吉氏の思いから、出産などで休職しても休職前の役職で復帰できる制度や、リモートワークの推進など、性別やライフステージを問わず誰もが働きやすい環境を整えている。また、営業会社でありながらインセンティブを重視せず、人事評価に360度評価を取り入れるなど、多様な社員が個性を認め合いながら働き合える“オープンコミュニケーション”に取り組むのも大きな特徴だ。

そんな同社で体現されるスタイルは、今吉氏の会社員時代の経験から生み出されたもの。
「私自身は20代で家業である建設会社に就職したのですが、建築業界に興味がなかったこともあり決して優秀な社員ではありませんでした。その後に大手通信会社の営業代行に転職したのですが、そこでも結果が出ず、遊んでばかりいたので借金ばかりが膨らんでしまう状態。そんなときにある本に書かれていた、『小さなことができない人間が大きなことをできるはずがない』という言葉に出会ったのです」

そこから自らの生活を見直し、規則正しい日々の暮らしなど、日常の小さな積み重ねを大切にすると、みるみる営業成績が向上。スカウトで移籍した別の営業代行会社では、最終的に役員にまで就任した。
「役員となって責任や裁量が大きくなり、ビジネスを行ううえでは色々な学びがありました。しかし、どこまでいっても評価されるのは営業成績だけで、ベースの部分の評価は変わりません。また、営業だけでなく、管理や事務作業を行う人など、色々な役割を果たす人がいて会社が成り立っているのに、そうした人たちの評価が見えにくいことにも違和感を感じていました」

今吉氏自身が、日々の小さなプロセスを積み重ねることで、大きな結果を出してきた。だからこそ独立後に創業した自分の会社では、結果だけでなくプロセスをきちんと評価し、それを給与のベースアップにも反映する評価システムを導入。併せて、色々な役割を果たす多様な社員たちが、それぞれに輝ける環境づくりに力を入れた。

今吉裕之
日々の“小さなこと”を評価に繋げる

「とはいえ、営業代行などのフロー型のビジネスでは、個々の営業マンの営業成績と売り上げが直結するため、自分が理想とする評価制度の実現が難しい部分もありました。そこで、自社のノウハウなどをサブスクリプション制で顧客に提供する事業なども始め、理想とする評価制度を実現させたのです」

同社では現在、約30の項目で人事評価を実施。それらの多くが、普段の清掃や遅刻の有無、困りごとを周囲のメンバーに相談できるかといった“小さなこと”だ。それらの項目をまずそれぞれの社員自身が採点し、次に上司や部下、同僚、そして社長である今吉氏と、360度の評価を行う。

「日常の小さなことをコツコツと積み上げ、継続できる人はやがて大きな結果を出せると、私自身が身をもって知っています。だから、たとえば若い社員で今は結果が出せていない人がいたとしても、小さな積み重ねができているなら、そうしたプロセスはきちんと評価してあげたい。それが彼らの自信になり、自己成長することで結果も伴ってくるはずですし、そんな自信や成長は他の社員やお客さんにも伝わっていくと思うのです」

さらにはオープンコミュニケーションの一環として、個人のプライバシー以外、今吉氏を含む全社員の給与や会社の機密情報まで、全ての情報を社員に公開。透明性の高い組織づくりも、今吉氏が経営者として注力するポイントだ。

「社員に納得して働いてもらうために、やはり大切になるのは会社としての透明性。センシティブな情報の共有にはリスクもあるかもしれませんが、会社として新しいことを始める際には話が早く、スピーディに物事を進められるなどのメリットもあります。加えて、当社は色々な企業や人とのお付き合いがありますので、そうしたステークスホルダーからより信頼される会社となるためにも、“透明性”を大切にしたいと考えています」
会社員として過ごした20代、今吉氏自身が満たされない日々を送った。だからこそ経営者となった今、「若い社員たちには満たされた気持ちで仕事に向き合い、モチベーション高く働いて欲しい」という思いを強くもつ。

「経営者として私には社員の心を満たす責任がありますし、社員の心を満たすことで、その家族やお客様の心も満たすことができるのだと思います。そのためにも新たな事業への挑戦などを続けて事業を拡大することはもちろん、多様な個性をもつ若い人たちがより輝きを放ちながら、より安心して働ける会社を目指したい。私たちの“売る力”と、個性を認め合いながら成長するといった価値観をより多くの方に知っていただき、今後も企業として大きく成長していきたいと考えています」

今吉裕之

株式会社Wholelife 代表取締役
https://wholelife.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。