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藤東淳也
FUJITO ATSUYA

藤東淳也

藤東クリニック 院長

妊娠・出産や婦人病の診療を通じて、
辛くても頑張る女性たちに輝きを与えたい。
産科医師の減少に伴い医療機関の分娩撤退が相次ぎ、分娩施設自体も減少の一途をたどっている。そのような中で多くの女性から信頼を集めているのが、広島市のベッドタウンとして知られる安芸郡府中町にある藤東クリニックである。診療科目に産科・婦人科を標榜し、院長の藤東淳也氏はさまざまなライフサイクルの中で女性が輝くためのサポートを行っている。
藤東淳也 画像はイメージです。
一人ひとりに寄り添う地域のクリニック。

藤東クリニックは、藤東氏の祖父が1928年に開院した広島で3代続くクリニック。藤東氏は東京医科大学卒業後、東京医科大学病院や県立広島病院などを経て、2010年に父の跡を継ぎ現在の場所へ移転する形で開業した。地域に密着した診療を行い、妊娠や出産だけでなく、さまざまな病気と向き合うことで女性のトータルライフを応援することを重視している。

「子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸がんなどの女性の病気は、人生の中で女性が最も輝き、かつ最も必要とされる30~40代に発症することが多いのが特徴です。現代社会において、家庭だけでなく職場でも重要な役割を担っている女性は多く、生き生きとした人生を歩んでもらうために貢献したいと考えています。そのため治療するためだけの医療ではなく、美容面を考慮し容姿を維持しながら治すことが重要。産婦人科とするのではなく、産科と婦人科に分け、診察室を別しているのも患者さん一人ひとりに向き合いたいと思っているためです」

妊娠・出産についても一人ひとりに寄り添った診療をモットーとしている。2010年の開院時から助産師が担当する助産外来を設置。基本の妊婦検診は医師が担当するが、医師には話しにくいことや聞きづらいことなどを助産師が受けもち、一人で悩みがちな妊婦の不安を取り除いてくれる。そして、助産師と医師が綿密に連携することで患者との信頼関係が築かれていく。

「医師一人だけでは対応できないことは多く、スタッフ間のコミュニケーションはとても大事。医師や看護師、助産師など、数多くのスタッフがいるので、常に患者さんの思いや悩みなどを汲み取ることができるように気を付けています。私たちのクリニックの規模なら患者さんとの距離も近く、しっかり向き合えるのが強みではないかと思っています」

地域から信頼されている藤東クリニックだが、以前から指摘されている分娩施設の減少は業界全体にとっても大きな問題である。その背景には拘束時間が長く、急な呼び出しや当直が多い労働環境によって産科医師が減っている現状があるという。安心して出産できる分娩施設が減れば、地域から若い世代が流出したり、日本の少子化がますます進んだりする可能性が高まってしまう。

「5年前は2名だった常勤医師を5名に増やしました。そのうち3名は女性で、中には小さなお子さんがいる医師もいます。スタッフの数も増やし、子育てや家事と仕事を両立できる環境を徐々に整えてきたという状況ですね。急な呼び出しがなくなるわけではありませんが、人生にとって大きなイベントである妊娠・出産に関わる仕事に魅力を感じている人は多数います。実際に女性医師の数や割合は増えているくらいで、昔のように時間を犠牲にする働き方をすることはなくなりました」

藤東淳也
オープンマインドで女性の悩みに向き合う。

現在、婦人科の病気の中でも問題になっているのが、子宮頸がん検診の受診率が低いことである。30代で子宮頸がんになる場合、20代からがんの前段階である前癌病変にかかっていることが多い。そのため厚生労働省から各自治体を通じてクーポン件が発行され、20歳から子宮頸がん検診を無料で受診できる制度が整えられている。精度の高い検診で、かつ前癌病変であることが分かったとしても比較的簡単な対処で子宮頸がんを予防できる。

「無料で受けられるなど利点の多い検診なのですが、受診の意識はなかなか広まりそうにありません。子宮頸がん検診に限らず、例えば生理不順や生理痛などで悩まれる人も多いと思いますが、そんなときに病院に来て、医師から痛みの理由を聞くだけでも気持ちが落ち着くことがあります。本当に辛い場合は薬を処方することもできます。定期的に病院へ行くことが、いろいろなメリットが得られることに繋がれば、子宮がん検診の重要性も理解してもらえるのではないかと思い試行錯誤しています」

藤東クリニックの外壁は緩やかな弧を描き、ガラス張りになった建物には明るい陽射しが差し込む。解放感あふれるゆったりした空間はモダンなデザインの内装が施され、まるで高級ホテルのような雰囲気が漂う。一見すると富裕層を対象とした病院に見えるが、明るくて快適な空間づくりは、地域の人たちにもっと気軽に来院してほしいとの思いからだという。

「女性にとって婦人科へ行くこと自体に抵抗感をもつ人は多い。なので、“私たちは何でもオープンにしていますよ”という意味を込めて、待合室は全面ガラス張りにしました。当初はプライバシーを考慮して閉ざしていたのですが、多くの患者さんから明るい方がいいと言われ、今ではオープン状態にしています。患者さんやスタッフの様子が見えることで安心してもらえるなど、来院の垣根はだいぶ低くなったと思います」

藤東氏の願いは前述の通り、女性が輝きながら生きていってほしいということ。働きながら育児や家事もこなす中で、我慢をしたり辛い思いをしたりして頑張っている女性に対して、医師としてどのようなサポートができるのかは永遠の課題だという。

「例えば産後に気分が落ち込む女性はかなりたくさんいます。しかし、辛い胸の内を話すだけで、その辛さを乗り越えられる人もいますので、まずは来院してもらうことが大切。そのためには藤東クリニックに気軽にアクセスできる体制が必要で、その一環としてホームページにはどのページからでも気軽に問い合わせができるチャットシステムを導入しました」

現状に満足せずに、常に改善しなければいけないという意識をもち続けることが必要と説く藤東氏。分娩施設が減っていく中で医師をはじめとしたスタッフの数が増え、受診に訪れる女性たちが一様に生き生きしているのは、これまでの取り組みが正しかったことの証明に他ならないだろう。

藤東淳也

藤東クリニック 院長
https://fujito.clinic/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。