FRPライニング工法の開発
給排水管の修繕工事には、更新工事と更生工事の2つがあり、前者は管自体を新しいものに取り替える工事を指す。後者はライニングとも呼ばれ、管の内側をコーティング剤で覆う塗布ライニングと、管の内側に樹脂を流して新たな管を形成する樹脂ライニングに分かれる。塗布ライニングは手軽だが、劣化による穴の修復や管の補強はできず、寿命が短いなどの欠点がある。
「排水管の内側に樹脂を染み込ませたライナーを入れて、パイプの中に新しいパイプをつくる『FRPライニング工法』を最初に開発したのが当社です。大掛かりになる更新工事よりも工期が短く、騒音も少ないうえ、最長40年間の使用に耐えることができます。居住者様の立ち会いが必要になる更新工事に対して、入室するのは1階と最上階のみなので、主にマンションの修繕工事の際に採用いただいています」
具体的な施工方法は、1階と最上階の部屋の内装を解体して管を切断し、内部を高圧洗浄などでクリーニング。サンドブラストで研磨した後、樹脂を染み込ませた繊維(ライナー)を挿入し、空気圧の力で内部に樹脂を張り付けていく。その後、管の中に入れたロボットが各階の枝管分岐部で穴を開ける、というものだ。この技術は特許を取得しており、ほかにも複雑な構造をもつ集合継手におけるライニング技術をはじめ、十数件の特許や実用新案を取得している。
「当社は名古屋に本社を構え、東京に首都圏本部を、関西に阪神営業所を設けています。営業エリアは三大都市圏で、それ以外の地域では30社以上の施工代理店と提携しています。代理店制にしているのは、水回りの工事はアフターケアも重要で、地元の会社だとお客様に安心していただけるから。現在も全国各地から技術習得のための研修に来てもらっており、今後も増えていく予定です」
同社の設立は1964年。当時、両親はエステサロンを営んでおり、使っていた石膏を流していた排水管がよく詰まっていた。都度、業者がすぐに対応してくれることに感心し、このサービスを自分たちでやってみようと思ったことがきっかけだったという。その後、給水管の塗布ライニングの工法を開発したものの、参入する同業者が後を絶たず、主力事業を空調メンテナンスに移行。藤井氏が入社したのはその頃だった。
「新しくはじめたラッピング広告の事業がうまくいかず、倒産寸前でした。私は会社を残すため、大学卒業後すぐに入社。当時、東京営業所にいた2名の従業員が共に辞めることが決まっており、私が住んでいた家を営業所にしてひとりで再出発することになりました。その後、給水管の塗布ライニングに再度力を入れて業績を回復させ、2001年に排水管のFRPライニング工法を開発しました」