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患者目線に立った医療とサービスを提供
浅見氏は研修医時代に、眼科手術のやりがいや奥深さに気づいたことから眼科医を志望。その後は一貫して手術を中心に眼科医としての経験を積み、最新の眼科治療を行う米国への留学も経験。大学病院では医局長として、関連病院から依頼される網膜剥離や眼内炎などの緊急疾患や、増殖糖尿病網膜症、重症の眼球破裂などの手術に昼夜を問わず対応してきた。2016年には、県内有数の眼科専門病院である眼科三宅病院の副院長に着任。網膜硝子体疾患や、緑内障手術、角膜移植手術など、従来なら大学病院や専門家と連携していた難しい手術も自らの手で行えるよう、術者としての研鑽を重ねてきた。
浅見氏が手掛ける手術は年間でゆうに1000件を超え、勤務医時代にも「眼科手術を通して患者様の役に立てているという実感はあった」と話す。
「当初はこのまま勤務医でもいいと思っていたのですが、自分がいつまで眼科医として一線に立てるかと想像したとき、一人ひとりの患者様に対して、もっとできることがあるかもしれないと考えるようになりました。そこで、自らが理想とする眼科治療を実現しようと、クリニックの開院を決意したのです」
そう話す浅見氏が目指したのは、手術を中心とする最高の眼科治療と、患者の心に癒しを与えるホスピタリティを両立させた眼科クリニック。手術に使用する3次元映像システムをはじめ、最新鋭の機器が導入されたクリニックの待合室には、ゆったりと座れる大きなソファやピアノが配され、心落ち着くアロマが香る。
「手術を待つ患者様の不安を少しでも軽くするために、できることはすべてやろうと。ピアノはインテリアとして置いたものだったのですが、ある患者様の娘さんが『母の手術のお礼に』と私に演奏を聴かせてくださったことをきっかけに、今はその方や音大に通う学生さんにお願いして、ピアノの生演奏をBGMにしています」
そうした心温まるストーリーから始まったピアノの生演奏に、涙を流して聴き入る患者も多い。さらには、手術中の緊張をほぐすために患者の好きな音楽を用意して術中に流すなど、まさに一人ひとりの患者目線に立った医療とサービスを提供する。
あらゆる眼の病気にワンストップで対応する
数多くの患者に等しく標準的な医療を提供する使命をもつ日本の病院やクリニックでは、医師と患者との間にある程度の線引きが必要になる。特に多くの患者を診る必要がある大病院などでは、個々の患者への対応に時間を割くことが難しく、患者の側からすれば医師の対応や説明が“上から目線”に感じられることも少なくはない。
「私はずっと“上から目線”の医療に違和感を感じていましたし、患者様にはこのクリニックに来て良かったと心から思っていただきたい。当院は手術を中心に行うクリニックなので、患者様ご自身に納得して手術に臨んでいただくことも大切。ですから手術や病状の説明には、視力の弱い方でもよく見えるように大きなモニターを使い、耳が聴こえにくい方の場合は特別な補助装置なども使って、分かりやすくご説明することも心掛けています」
日本では失明原因の第1位となっている緑内障などは、早期に治療や手術を行うことで、より広い視野を残すことができる。しかし、すぐに結果が出て患者の満足度が高い白内障手術と違い、緑内障の手術は必ずしも一度では終わらないうえ、症状を完治させるものではないため患者の満足度も得られにくい。結果、一般的なクリニックでは緑内障手術が敬遠される傾向にあり、初期は自覚症状もないため、患者が症状に気づいた時には“手遅れ”というケースも散見される。
「特に緑内障については、早期に発見して治療を開始することが重要になります。そこで当院では、初めて来院される患者様には、神経線維の厚みが計測できる網膜光干渉断層計による検査を受けていただき、緑内障の早期発見につなげています」
日常的な目の悩みに応える眼科医としての知識や経験はもちろん、眼に関わるあらゆる手術を成功させてきた実績が豊富。そんな浅見氏のもとには、県内の病院やクリニックから紹介された患者が数多く訪れ、開院したばかりのクリニックながら既に多くの手術が行われている。
「最優先に考えるのは、麻酔を含めて痛みのない手術。難しい手術への対応や、複数の眼の病気に対して、異なる術式を組み合わせて一度に行うなど、あらゆる眼の病気にワンストップで対応できるのも当院の強み。今は私がすべての手術をおこなっていますが、今後は後進の医師の指導にも努め、ささやかながら地域の医療に貢献していきたいと考えています」