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田中聡
TANAKA SATOSHI

田中聡

アルファス株式会社 代表取締役社長

「モノからヒト」のサービスへ、
不動産業界に新たな風を吹き込む異色の経営者。
不動産売買や賃貸の仲介をはじめ、住宅リフォームやファイナンシャルプランニング、損害保険代理業など、様々な分野に事業進出を果たすアルファス株式会社。不動産全般のコンシェルジュとして実績を残す同社の強みは、「モノからヒトへ」をテーマに掲げた、業界の常識を覆すサービスの追求だ。業界未経験からわずか8年で代表取締役社長に就任した異色の経営者・田中聡氏の真の狙いとは──。
田中聡
関わる全ての人が幸せになる決断を

田中氏の代表取締役社長就任が発表されたのは、今から約1年前の2018年12月のこと。「これまでと立場は大きく変わり、この1年は会社のベクトルを示すことに注力してきました。今後も理念やビジョンをさらに社員に浸透させていきながら、目に見える成果を出していきたい」と本人は冷静に語る。

実際に就任後の成長率は約130%増。創業以来、過去最高の売上で増収増益を達成している。今後の3カ年計画でも20%の売上増が見込まれており、採用計画では年間で30名近い増員を予定するなど、人材面でもその規模を拡大させているところだ。

「イメージ通りの会社の基盤作りができていますし、皆が同じベクトルで事業を進めることが何より重要だと考えています。この1年の成果は、そのベクトルを示せた証でもあるのではないでしょうか」
田中氏が就任後、真っ先に着手したのはベクトルの統一化だった。これまで未開拓だったブランド規定などを見直し、業界大手と手を組んだビジョン研修なども積極的に開催。どこに向かうべきかを明確に社内で共有、言語化していったと言う。

そんななか、同社が掲げる理念は「WIN FOR ALL」。関わる全ての人が幸せになる決断をしているかどうかが、会社のベクトルを決めるうえで大切な軸となってきた。ではなぜ、こうした理念を掲げるに至ったのか。

もともと田中氏は、大手外食チェーン業界で実績を積んできた経歴の持ち主。当時は数多の店舗マネジメントや経営企画にも携わるなど、実に順風満帆なキャリアを経ている。
「仕事の本質は外食業界で学ばせてもらいました。それはまさに、当社の理念にも繋がるホスピタリティの意義です。当時、仕事における様々な決断の根本を辿ると、いつも追求していたのは“お客様が幸せになるかどうか”ということ。これは外食産業では当たり前のことなのですが」

そして田中氏が不動産業界に足を踏み入れたのは30歳のとき。それまでの実績が評価され海外転勤の打診を受けたなかで、不動産業界で壮大なビジョンを描くアルファス前社長との出会いが、自身の挑戦心を掻き立てた。

「私は自分の道を選択するとき、いつも難しいと思われる道を選んできました。難しい挑戦であればあるほどモチベーションは上がりますし、その方が成長できると思うからです。もちろん不動産業界は全くの未経験で、当社のようなベンチャーで0から1を生み出すのはきっと難しい。だからこそ面白そうだと思いましたし、今の道を選んだんです」

田中聡
現代に求められる、人を軸にした不動産サービス

しかし思いもよらず、不動産業界に身を転じてからは大きな違和感を覚えるようになっていった。営業担当者は各々で隠し物件と言われる情報を囲い込み、チーム成績よりも個人の営業成績を競う現状。それが当たり前となり、お客様本位は完全に欠落していた。
「これは業界全体の大きな問題なのだと感じています。そんな状況を脱却し、常識をぶち壊したいというのが、当時のモチベーションになりました」

田中氏はその言葉通り、業界の常識に捉われることなくホスピタリティを武器にした営業を推進。当時、そのやり方に異議を唱える周囲の業界経験者も数多くいたが、同氏が型破りな営業で成績を上げていくうちに徐々に理解も得られるようになっていった。そうした実績が評価され、2018年には代表取締役社長に任命。経営者として新たな船出を迎えている。

「現代はテクノロジーが進化しており、一般の方でも十分に鮮度の高い物件情報が取得できるようになりました。しかし、取得できる情報が多ければ多いほど、その中から自分にとっての最適な答えを見つけることは難しいのが現状です。お客様を最適な答えに導くためにも、今後も人のサービスやホスピタリティ精神を追求していきたい。そのためにも人材教育や社内制度の刷新に注力しているところです」

例えば育成評価制度では、社内での情報を見える化し、数字だけでなく、仕事に取り組む姿勢やビジョンの理解度に応じた評価も重要視。ホテル業界大手のリッツ・カールトンと共同で勉強会を開くなど、異業種からホスピタリティを学ぶ機会も積極的に増やしている。

田中氏にとって、同社に向けられる一番の誉め言葉は「不動産屋らしくない」と言われること。
「私自身もそう言われ続けてきたので、それが業界の常識を覆している証にもなるのかなと思っています」
今後もモノからヒトへを合言葉に、不動産屋らしくない不動産屋の、真摯で大胆な改革は続いていく。

田中聡

アルファス株式会社 代表取締役社長
https://alphas.biz/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。