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医療法人大河内会 おおこうち内科クリニック 大河内昌弘
OKOCHI MASAHIRO

大河内昌弘

医療法人大河内会 おおこうち内科クリニック 理事長兼院長

感動を与えるクリニックを目指し、世の中に広めたい。
「おもてなし」の心を軸に、医療界のアマゾンを目指すと宣言する、おおこうち内科クリニック。「ここに来れば、きっと何とかしてくれる。」と患者から絶大な信頼を集める病院ができるまでにも苦労の時代はあった。培った経験と信念をもとに、世に広めようとしている理想の医療組織とはどんな姿か——。
医療法人大河内会 おおこうち内科クリニック 大河内昌弘
理想の医療に必要なのは「おもてなし」の精神

おおこうち内科クリニックは、その素晴らしい患者思いのサービス体系が話題を呼び、今や全国から様々なクリニックが見学に訪れている。「素晴らしい医療とは何か、感動を与えるチームワークとはどんなものかを日本中に広めたい」と話すのは、医療法人大河内会の理事長兼おおこうち内科クリニック院長の大河内昌弘氏である。

同氏は、医者の家系に育ったわけではない。小学生時代に髄膜炎を患い、3日間の意識不明状態から、後遺症なく完治したことをきっかけに、人の命を救える医者に憧れを持つようになったという。猛勉強の末、医者となり大学病院に入ると、その大きな組織体制に疑問を持つようになる。大学病院というのは専門の科ごとに分かれており、1人の患者が3つの科に渡って悪い箇所があれば、3人の主治医がつくことになる。これによって、専門性の高い治療を受けられるというメリットもあるわけだが、総合的に全身管理をしてくれる医師が存在しないという状況だ。患者が「自分の命を預けられる」と思えるような信頼をもてる医者とは、プロの知識や意見をもちながらも総合的にわかってくれている医者なのではないかと考え、複数の領域を診ることができるクリニックを目指し開設をしたのだ。

「開設をして、たくさんの患者さんがきてくださいましたが、私自身はスタッフに指示ばかりを出すダメな院長になっていました」
大河内氏はそう振り返る。広い領域で診察を行うコンセプトはニーズを掴み、開院から2〜3年は患者が殺到した。限られたスタッフの中で慌ただしい業務が重なり、スタッフ間で失敗をなすりつけ合うようになっていた。その結果、スタッフの3分の2が退職してしまうという事態にまで追い詰められたとき「自分が変わらなければ、スタッフはついてこない。スタッフが成長を感じられる環境を作らねば」と痛感。いろいろなセミナーに足を運ぶ中で、転機ともいえる出会いをする。

都内で「おもてなしに秀でたレストラン」として有名なカシータレストランのオーナー高橋滋氏との出会いである。直々にお願いをし「究極のおもてなしとは何か」という講演を院内でしてもらったことが、スタッフ全員の意識改革へと繋がっていった。
「患者が困っていれば、駐車場まで声をかけに行く。そういう身内同然の目線で寄り添うことが、不安定な精神状態にある患者を癒すはずであり、それこそが医療の理想の形なのです

医療法人大河内会 おおこうち内科クリニック 大河内昌弘
スタッフの幸せが、患者の幸せを生む

「医療というのは、技術ばかりプロフェッショナルになることを目指してはいけないと思うわけです。病院の居心地の良さや、心が安心する空間であるかということが病院への信頼の第一歩だと思います」
体制の方向転換を始めてから、患者との距離が近くなり、スタッフが指名されることが増えているという。これはスタッフが、ひとりひとりの患者に対して親身に寄り添った結果生まれた、信頼の賜物であると言えるだろう。

心温まるエピソードも毎日のように生まれている。
「当院では、30分で健康診断の診断書をお出しするサービスを行っており、就職前の健康診断に利用される方が多くいらっしゃいます。先日そのような方がいらっしゃった際、スーツ姿の写真をつけた履歴書も同封しなければいけないことを失念しており困ったという話を受付でされました。そこでスタッフが、自宅からスーツを取ってきて、それを着用し院内で撮影。無事送ることができたというわけです」
こういったエピソードが話題を呼び、患者が増えることはもちろん、ここで働くことも地域で一種のステイタスとなり、スタッフ自身の誇りにも繋がっている。

スタッフのモチベーションを大切にするための試みは多く行われており、キャリアアップ目的のセミナー参加へのバックアップや、家族から仕事への理解やサポートを得やすいよう、イベントへの家族参加も推奨している。他にも、スタッフ間で互いの長所を伸ばしていこうという狙いで、患者情報大臣や、糖尿病指導大臣、おもてなし大臣など良いところを大臣名にして讃える取り組みも生まれている。

そこを訪れる患者、そこで働くスタッフの双方が心地よくいられる場所にすることが叶った今、おおこうち内科クリニックの新たな挑戦は続く。一つは、外国語を話す患者への対応力強化。問診票は50カ国語に対応しており、院内で英会話教室も実施されている。もう一つは、患者の治療法選択肢の拡大のために、大学病院では扱わない未認可の治療法も取り入れようとしている。
「自分が生きてきた証として、誰かの役に立ちたいと思っています。誰かのためだからこそ、諦めずに努力し続けられるのです」
患者の、そしてスタッフの人生が輝くことを糧に、大河内氏のチャレンジはまだまだ続きそうだ。

大河内昌弘

医療法人大河内会 おおこうち内科クリニック 理事長兼院長
https://www.okochi-cl.com/original.html
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。