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田宮明彦
TAMIYA AKIHIKO

田宮明彦

有限会社タミヤホーム 代表取締役

「人を想い、夢を実現する」をモットーに、
解体業界のイメージ一新に取り組む。
「子どもの頃は、2トントラックの荷台が兄と私の遊び場。休日は、そのトラックで出かけることもありましたね」と語る、有限会社タミヤホーム代表取締役の田宮明彦氏。田宮氏の父は卒業とともに上京して大工として働き、1985年、田宮氏が3歳のときに独立。現在の株式会社田宮建設の母体となる建設会社を興した。田宮氏も中学生から建築現場で手伝いを始め、高校や大学時代も、学業の傍ら職人として働いていたという。
田宮明彦 ※画像はイメージです。
建築職人を経て不動産営業の世界へ

そんな田宮氏の大学卒業後の進路は不動産営業。家業は兄が継ぐことになっていたため、何をしてもよかったが、慣れ親しんだ建築に関わりのある仕事を選んだ。

「手伝いをしていた頃、どうやって家が建つのかと興味をもったことがあって、それが建築会社の依頼主である不動産会社への興味につながったんです。また、不動産営業は成績がすべて。頑張り次第で昇進できるという点にも惹かれました」

認められたい、自分を確立したいという強い思いを抱き、首都圏や東海圏で主に建売住宅を扱う不動産会社に就職した田宮氏。「センスがない、帰れ」などと言われて悔し涙を飲んだこともあったが、やがて頭角を現し、5年目には同社史上最年少で支店長に抜擢されるまでになった。8年勤めた後、注文住宅を主に扱う新会社の立ち上げに伴って移籍し、そこでも8年。子会社の取締役や公益社団法人全日本不動産協会の役員も務め、着実にキャリアアップしていった。

そんな田宮氏に大きな転機が訪れたのは、2019年のこと。実家に帰って家族と話していた際、両親からリタイアを考えていることを打ち明けられた。問題になったのは、家業の継承について。田宮建設では90年代半ばから、従来の基礎工事に加え、鉄筋コンクリート造建築の鉄骨溶接などの鍛冶工事まで手がけるようになっていた。両者は取引先が異なる場合が多いため、 97年に建設事業を柱とした有限会社タミヤホームを設立。その後 鍛冶工事専門事業を傘下に加え現在に至る。田宮建設は田宮氏の兄が継ぐことになっていたが、こちらの後任は決まっていないという。

タミヤホームは畳んでしまうことも考えているという父に対し、田宮氏は「自分に買い取らせてくれ」と申し出た。タミヤホームが抱えていた職人たちのことが、脳裏に浮かんだからだ。

「20人の職人と事務員は守っていかなければならない。彼らに対する責任をまっとうしたいと思ったのです」

こうして2020年にタミヤホームを事業継承し、代表取締役に就任した田宮氏。大手ゼネコンをクライアントにもち、大規模なビルの施工も手がける鍛冶工事事業は継続しつつ、会社を発展させるために新たな事業である解体工事にも取り組み始めた。既存の建物を壊し、土地を更地にする解体工事は不動産業とも深い関わりがあるが、田宮氏は16年の経験を通して解体業のさまざまな問題点を感じており、それらを改善すれば大きく成長できるという確信を抱いたのだ。

田宮明彦
新しい解体業のキーワードは「ホスピタリティ」

「主にビルの解体を行っているような大手は別ですが、住宅の解体を行う業者は、数人規模で代表が職人も事務も兼務しているところが多いんです。すると解体を依頼したくても作業中でなかなか連絡が取れなかったり、見積もりを出すのに数週間もかかったりする。また、解体工事の際は事前に近隣住民の方にご挨拶するのですが、職人はいかついイメージがありますよね。ですから、苦情があったとしても直接は言いづらくて、いきなり警察に通報されてしまうこともあるんです」

そこで、タミヤホームでは職人には作業のみに集中してもらい、それ以外のすべてを営業スタッフが担う体制を整えた。
「近隣住民への挨拶も自分たちがスーツ姿で回ります。また依頼に対してはすみやかに見積もりを出し、随時経過報告も行っています」

大切にしているのはホスピタリティ。顧客、近隣住民、職人の全員に心地よさを提供したいという思いの表れだ。この業界では、新しいやり方を職人に受け入れてもらうのは難しいことも多いが、自らも現場での経験があるため、職人気質やこだわりを察してうまく進めていくことができたという。

代表就任当時はひたすら営業に駆け回っていたが、仕事ぶりが信頼されるにつれてリピーターも増え、現在では新規営業する間もないほど活況を呈するタミヤホーム。最近では、さらに新たな領域にも進出している。

「当社の営業スタッフはすべて不動産業界の出身者。不動産関連に加え、FPの資格も持っています。そこで、空き家の売却の仲介や相続、建て替えについてなど、幅広いご相談を請け負っていきます。こうしたサービスについて『解体工事コンシェルジュ』『解体コンシェルジュ』の商標登録も済ませました。新規業務を通じて解体業界のイメージアップを図るとともに、空き家問題の解決によって街の活性化を促し、社会の発展に貢献していきたいです」

自社を土台に、関わる人すべてに価値や生きがいを提供したいと語る田宮氏。「人を想い、夢を実現する」をモットーに、業界の発展に尽力し続ける。

田宮明彦

有限会社タミヤホーム 代表取締役
https://www.tamiya-home-kaitai.com/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。