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進地祐司
SHINCHI YUJI

進地祐司

株式会社EXIZZLE-LINE 代表取締役

カー用品業界に光を灯し、
社会貢献事業を生み出す異端の経営者
近年、カーシェアの台頭や交通インフラの整備が進むにつれ、顕著になった若者のクルマ離れ。カー用品業界もその煽りを受け、市場の縮小を余儀なくされている。そんななか、タイヤ販売を主事業とする株式会社EXIZZLE-LINEは、業界でも著しい堅調な業績を維持。コアなカードレスアップのファンを中心に、全国から熱い視線を注がれている。その活躍の裏に隠された成長の要因とは——。
進地祐司
タイヤ販売で驚異の実績を上げる理由

2004年の創業時から、毎年15%近くの増収増益を続け、今期の売上高は28億6千万円。市場縮小により深刻な業績悪化を余儀なくされるカー用品業者も多い中で、その実績は目を見張るものだ。

それら事業の内訳は、カー用品の卸販売業のほか、ECショップ「Tireshop4U」、実店舗を構えるタイヤ交換専門店「Tirefrog」の運営と、三つの事業が柱。なかでも強みとしているのは、国内外から仕入れたタイヤを主力商品に置いていることだ。

同社の代表を務める進地祐司氏は、高校時代からカー用品店でアルバイトに精を出していた生粋のクルマ好き。卒業後は、そのカー用品店に就職し、様々な経験を積んでいった。

「当時はアメ車ブームの真っ只中で、映画に出てくるようなドレスアップ用品を買いたいという要望は沢山ありました。しかし国内で販売されていたアメ車用品はどれも高額。100万を超える値が付くものばかりだったんです」

そこで進地氏は、実際に本国アメリカのカー用品店をインターネットで調べ始める。すると、日本国内で仕入れれば高価なタイヤが、驚くほど安価で売られていることを知った。

「すぐにアメリカの販売店を突き止めて直接取引を打診しました。コンスタントに仕入れを重ねていくうちに徐々に信頼関係が生まれ、輸入量は日に日に増えていきました」

しかし、勤めていたカー用品店のオーナーは、「危ない橋を渡るな」と販売に難色を示した。いずれ売れなくなるというリスクを恐れたためだ。「それでも若い頃は怖いもの無しでしたから、お客様から喜ばれるものがあるのに売らないという選択肢は僕の中にはありませんでした」と話す進地氏。そして自己資金を投じ、新たに別会社を設立した。それが現在、タイヤ販売事業を展開するEXIZZLE-LINEの前身となったのである。

独立後の2005年には、日本で初めてUSAブランドホイールメーカーとの独占販売権を取得。「何を仕入れても売れる時代で、全国から問い合わせの電話が殺到した」と進地氏は当時を振り返る。

進地祐司
業界の垣根を越え、次なる事業へ

しかしここ数年は、大手カー用品業者もアメリカ本国との直接取引に目を向けるようになり、同社のビジネスモデルを模倣する動きも強まっているのが現状だ。「カー用品店も淘汰されていくなかで、安く仕入れたものを安く売るような商売ではなく、いかに独自の商品を生み出して強みを発揮できるかが重要」だと進地氏は言う。

そのため、ラスベガスで開催される世界最大級のカー用品展示会「SEMA SHOW」に毎年参加するなど、新たな展開を打ち出すための情報収集にも余念がない。流行を見分ける目利き力で日本のニーズに合致した商品を探し出し、勢いのある現地メーカーと独占契約を結び、同社でしか手に入らないオリジナル商品開発を実現しているのだ。

現在は価値観も多様化するなかで、「コアな商品にこそ付加価値が隠されていることもある」と進地氏。消耗品としてのタイヤを売るのではなく、付加価値のある商品ラインナップを積極的に増やしていく構えだ。

しかし、そうした試みだけに留まらないことが、進地氏が経営者として成功をおさめる所以でもある。「現状維持は衰退の始まり」。そんな挑戦心が彼を突き動かし続けてきた。

2019年より始動した自社ブランド「FRAMING」は、同社にとっても新たな挑戦の一つ。防犯カメラ業界をリードするトップメーカー「ハイクビジョン」の全協力のもと、自社製品となる屋外用ドーム型防犯カメラ「ガレレコ」をリリースした。「日本をもっと安全にしたい」というビジョンを掲げ、さらなる販路拡大を模索している。

「ガレレコ」は誰でも簡単に取付けができ、WiFi接続で外出先からリアルタイムで映像を確認することが可能。防水性にも優れ、価格が2万円程度というのも特筆すべき点だ。

「最近では防犯意識が高まり、ドライブレコーダーも一般的になりました。しかし日本は先進国の中で、防犯カメラの設置台数がもっとも低いと言われています。実際にガレージなどの防犯に目を向けると、安価で簡単に取付けができ、かつ性能の高い製品は少ない。タイヤの窃盗被害も未だに多く聞かれます」

そうした現状が、ブランド立ち上げの挑戦を決めた大きな理由となった。「常に新しいことをしていかないと生きていけない性分」だという進地氏にとって、挑戦とは生き甲斐でもある。そんな彼の信条は中国の儒学者・程頤の言葉「順理則裕」だ。決して私利私欲でなく、道理を第一に考え、豊かな結果をもたらしていきたいという真摯な思いが、大きな社会貢献に繋がっていくことを期待したい。

進地祐司

株式会社EXIZZLE-LINE 代表取締役
http://www.exizzle-line.co.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。