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小田治範
ODA HARUNORI

小田治範

医療法人社団医進会 小田クリニック 理事長・院長

臨床と基礎研究の両輪で進化させる、
ガン治療最先端の免疫療法。
中国で生まれ、中国、韓国で医師として活動し、東京・新大久保にクリニックを開設する小田治範氏。そんな彼がもっとも情熱を注ぐのが、「NKM細胞」を用いた免疫治療だ。現在、ガン治療の最先端として注目される免疫療法に、小田氏は20年以上前から取り組んできた。切り拓いてきた道が正しかったと証明されようとしている現在、自ら進化させてきた免疫療法でガン治療の地平を開こうとしている。
小田治範
次世代のガン治療、NKM細胞療法

東京・新大久保にある小田クリニック。院長である小田氏自身が中国と韓国で医師として活動してきたこともあり、来院する外国人の数は多い。彼らの目的の多くは小田が研究してきたNKM細胞を使った免疫療法だ。ガンだけでなく様々な疾患に対し、自己の免疫力を高め治療する免疫療法は、いま最も注目されている療法と言われている。

小田氏は中国で東洋医学に親しんだ経験から、早くから免疫力というものに注目していた。中国での医学生時代には地域住民たちに漢方を煎じて飲ませ、予防医学の力を実感。そして日本でクリニックを開設した当初から取り組んできたのが免疫医療、その中から自身の研究でたどり着いたのがNKM細胞療法である。これは人間のリンパ球に含まれている外敵を殺傷する免疫細胞NK(ナチュラルキラー)細胞に、ほかの免疫細胞をM(ミックス)させる次世代の免疫療法である。

「患者自身の血液からNK細胞を採取し培養、そして活性化させ増殖したものを再び体内に戻す、これがNK細胞療法です。自身の免疫力でガンを治癒する療法として注目を浴びています。しかし、免疫細胞にはNK細胞のほか、様々な種類があります。私が臨床から模索し進化させたものが、NK細胞にほかの免疫細胞をミックスするNKM細胞による免疫療法でした。NK細胞を60~70%、そこにほかのキラー細胞をミックスし投与します。多くの臨床結果から、私はこのNKM細胞による治療が、ガンやB型C型肝炎などの疾病に最も有効性が高いと考えているんです」

通称・小田キットと名付けたNKM細胞。その免疫細胞を投与するにあたって、小田氏は自身のクリニックで自ら培養した細胞を用いている。クリニック内には併設した研究施設があり、そこでNK細胞のほか、免疫細胞の研究と培養を行っている。

「臨床と研究、この両輪でないと進歩はありません。例えばIPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、もともと臨床医でした。そういう方が基礎研究を始めるとすごいスピードで成長していく。優れた研究者は常に臨床データを重視しているし、いい臨床医というのはきちんとした基礎を持っているんです。臨床と基礎研究、これは医師にとって永遠のテーマです。私もクリニック内の研究施設で育てた免疫細胞を患者に投与していますが、免疫細胞はルーティンで作れるものではありません。毎回丁寧に見ながら培養しなければならないし、ほかの誰かが作った細胞では安全性の担保ができない。私が臨床にいち早く免疫療法を取り入れられたのも、こうした細胞の基礎知識があったからです」

小田治範
慢性疾患であるガンは、予防医療で防ぐ

小田氏は免疫療法がガン治療の根本的な療法であると同時に、ガンを予防する医療でもあると言う。ガン治療も手術や抗ガン剤による医療行為に合わせて免疫療法を行っていくべきだと提言する。

「ガンは発症までに10年から30年かかる慢性的な疾患です。その前段階で予防することは十分可能であり、予防医学の範疇なんです。仮に発症したとしても免疫療法には延命作用があり、治療中の生活の質も上げることができる。またガンの再発率は30~50%と言われており、きれいに切り取っても数年後には再発してしまう。だからこそ再発を防ぐために免疫療法を併用してほしいんです。現在、当クリニックに来院する外国人の8割の方が、ガンの予防医療で来院しています。ガンになってから治療するより、予防医療でガンを未然に防ぐ。ガン対策はこういう方向にシフトしていると考えています」

外国人の来院者も多いが、小田氏自身も中国・韓国との医療交流を続けている。医療技術では日本が先んじるが、中国の研究施設やハード面の進化はすでに日本をしのぐ勢いだと言う。

「国際医療を推進して30年以上になりますが、本来、医療には国境はありません。国際交流が活発化した今、私はその中でもっと成果をあげたい。日本にある知識・技術が外国と交流することで、10倍20倍になって返ってくると信じています。日本も基礎研究、臨床研究をもって世界とどんどん交流したほうがいいですし、相手の国の医療状況や何を求めているかを理解し、長く付き合っていくべき。そうすることで互いの国の医療発展につながっていくはずです」

そうした考えのもと、今日も日進月歩の医療分野で、小田氏自身が発展の架け橋となっている。中国・韓国などと医療交流をさらに深めながら、臨床と基礎研究の両輪から進化を続ける免疫療法。その道筋にある東アジア全体の医療発展を切に願うばかりだ。

小田治範

医療法人社団医進会 小田クリニック 理事長・院長
https://www.ishinkai-mc.net/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。