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西川将史
NISHIKAWA MASASHI

西川将史

株式会社センチュリオン 代表取締役

「愛と思いやり」の理念で、顧客本位の事業経営を実現する
不動産業界では近年、シェアハウス運営会社の破綻を機に発覚した銀行の不正融資事件や大手不動産会社による施工不備問題などの不祥事が相次いでいる。そのなかで躍進を続ける若き経営者は、これらの不祥事の要因はすべて「倫理観の欠如」にあると断言し、それに真っ向から対峙する理念を掲げる。
西川将史
業界の正しいあり方を示すロールモデルに

東京都渋谷区で不動産売買を中心に、コンサルティングやファイナンスアレンジなどの不動産事業を展開する株式会社センチュリオンは、昨今の度重なる不祥事で信頼が揺らぐ不動産業界において、売上総利益額が2014年度1.5億円から2018年度8億円、2019年度は15億円の見込みと右肩上がりに業績を伸ばしている企業だ。36歳という若さで同社を率いる代表取締役の西川将史氏は、業界の信用を失墜させた今回の諸問題は、長年にわたって業界内で黙認されてきた「倫理観の欠如」にあると話す。

「不動産、特に投資目的の物件は『売れればいい』という風潮が業界に蔓延していて、金融機関も積極的に融資を行っていた。本来であれば資金不足で投資用物件を買えないような人も買えるような状況でした。つまり『買ってはいけない人が、買ってはいけない物件を、買ってはいけない条件で買っていた』ことが問題の本質だったのです」
以前に勤めていた不動産会社でも投資にデフォルトして涙する顧客を見て心が痛むことがあったという西川氏は、この業界の旧弊を真っ向から否定し、2008年に独立。同社設立に至った。

その後、試行錯誤の経営を繰り返すなかでたどり着いたのが「愛と思いやり」という理念だ。目先の数字を追うのではなく、顧客の立場にたって考える。他の業界では至極当たり前に行われていることをこの不動産業界で実現するために、正々堂々と、誠実に事業に取り組んだ。
「特徴のある優良物件を確実に仕入れ、それを購入できるだけの資産のある方に紹介する。つまり、『買ってもいいお客様に、買ってもいい物件を、買ってもいい条件で販売する』ことを徹底したのです」

その結果、設立から11年で300棟以上の販売にかかわりながら、デフォルトした顧客はゼロ。さらに同じ顧客が別の物件を購入するリピート率は90%を超えるまでになった。
「一つひとつの案件に『愛と思いやり』をもって対応することで、お客様や金融機関からの信頼を積み重ねることができた。私たちが目指しているのは、売上ナンバーワンでも会社の規模ナンバーワンでもなく、信頼度ナンバーワン。携わったすべてのお客様が幸せになることです。業界を変える!というつもりはないのですが、私たちが正しいあり方を示し、このロールモデルが支持されるようになれば、少しずつ良くなっていくのではないかと思っています」

西川将史
一人ひとりが輝くチームで、世界中の人を魅了する組織を作る

同社の事業の推進力となっている「愛と思いやり」という理念。その実現のために同社で行っていることの一つが、人格を重視した人材採用だ。
「これも当たり前のことですが、しっかりとした倫理観をもっている人、当社の理念に合致する土台のある人を採用するようにしています。人に敬意をもって接することができているかどうかが重要。不動産業界経験者はむしろ少ないですが、そのほうが業界の古い慣習を変えることができると思っています。私も採用の初期の段階からかかわって、応募者一人ひとりにお会いし、その方の人間性を見極めるようにしています」

また、顧客対応の現場や研修など、さまざまな場面で西川氏は「愛と思いやり」の理念を、自分の行動で、自分の言葉で伝えることで、そこに込められた思いやビジョンを社員に共有し、ベクトルを同じにすることに注力してきた。それが最終的に顧客や金融機関からの信頼を得ることにつながっている。しかし、そこにはまだまだ成長の余地があるという。
「同じ価値観をもつ仲間たちが集まってきて、徐々に強い組織になってきていると感じます。将来的にはさらに『世界中の人を魅了する組織』にしたい。やりたいことを全部極めて人生を楽しく生き、輝きを放っている人が集まって、チームとしてやっていく組織体を作りたいと考えています。そのためにも、社員にはもっともっと成功体験を積み上げて、視座をどんどん上げていってほしい」

西川氏は共通の価値観でつながっている仲間と一緒に仕事をして、目標を達成していくことに働くことの楽しさや喜びを見出している。世界中の人を魅了する組織にするためにも、社員が失敗を恐れずにさまざまなことに挑戦できる環境を提供したいという思いから、今後は事業の幅をより広げていく考えだ。
「不動産事業での売上は200億円まででいいと決めています。それ以上にしようとするとどうしても無理が出てきて、倫理観が崩れる原因になります。現在も不動産で得た収益を活用して5つのIT関連事業を展開していますが、今後はこの分野をもっと伸ばしていきたい。具体的には日本中の人が使うITのインフラサービスを作りたいと考えています」

それは西川氏が時代の先を読み、打つ次の一手でもある。
「事業経営はその時々の景気に左右されるので、先を読む難しさは当然ありますが、少なくとも半年前には次にやることを決めるようにしています。たとえ今がうまくいっていても、半年後がうまくいくとはまったく思っていません。何が起こるかわからない。私は基本的に怖がりのところがあるので、何が起こってもいいように、常に3つパターンを用意するようにしています。確実で誠実な経営をして、これからも皆と仕事を楽しみ続けたいですね」
その思いの根底にあるものもやはり人に対する敬意に他ならない。「愛と思いやり」を理念に掲げる同社の躍進は続く。

西川将史

株式会社センチュリオン 代表取締役
https://www.cent.co.jp/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。