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烏山友幸
KARASUYAMA TOMOYUKI

烏山友幸

ZIGEN株式会社 代表取締役

本物志向のメンズコスメで男性のエコ意識を醸成し、次世代に健全な環境を引き継ぎたい
アメリカの先住民イロコイ族に伝わる「Seventh Generation」(セブンス・ジェネレーション)という言葉がある。「どんなことも7世代先のことまで考える」という意味だ。この言葉に強く共感した経営者は、からだにも環境にもやさしいメンズコスメの開発に日々取り組む。
烏山友幸
本当に良いものが選ばれる時代に、本質を追求した商品を提供する

「ZIGEN」は、シャンプーやオールインワンジェルなどの商品を独自運営のウェブサイトなどで販売しているメンズコスメブランドだ。運営会社であるZIGEN株式会社代表取締役の烏山友幸氏はメンズコスメティックス市場について「昔から市場はありますが、ここ10年で伸びてきているという印象があります。ただ、スーパーや薬局などで市販されているものは多いのですが、女性用のように品質にこだわった高価格帯のものは少なく、そこに商機があると感じました」と語る。

その言葉を裏付けるように、民間のマーケット調査会社・富士経済は2018年にメンズコスメティックスの市場規模が当年見込み1,175億円から2020年には1,191億円になる予測であるという調査結果を発表している。男性のスキンケア意識は年々高まり、メンズコスメへのニーズは現在進行形で増加している。
烏山氏がこのメンズコスメに着目したのは2009年ごろ。前職でECサイトのコンサルタントをしていたときのことだという。

「当時請け負っていたクライアントが女性用のオールインワン化粧品を取り扱っていたのです。化粧水、乳液、美容液、クリームが1本で完結する保湿ジェルで、短時間でのケアが可能なことから、男性にこそ必要な商品なのではないかと思いました。そのころにはすでに美容を意識する若い男性が増えていると感じていましたので、2013年に前職で取締役になったタイミングで新事業として『ZIGEN』を立ち上げました」

その後、2015年に独立して事業を引き継ぎ、現在のZIGEN株式会社を福岡市に設立した。自社のECサイトでの販売がメインで、店頭販売は生活雑貨の小売業大手のみという事業展開だ。
「インターネットの普及により消費者の選択肢が格段に増えてきたなかで、これからは本当に良いものが選ばれる時代になるだろうと思ったのです。特に男性は、私もそうなのですが、自分が『これはいい!』と思ったものはずっと使い続ける傾向にある。そこで、原価を考えて商品開発をするのではなく、より本質を求めた、商品力の高さを最優先に考えて作っていこうと決めました」

烏山友幸
地球の環境問題を考えるきっかけとなった「Seventh Generation」

より本質を求めた、商品力の高いものとはどういうものか。
「人の肌にやさしいだけではなく、地球環境をも汚さないものです。多くの化粧品は合成された界面活性剤や香料、防腐剤などが配合されていて、使用感も良く、安価で手に入るのですが、そういったものに頼らない『本物』を作りたかった。その考えからZIGENは、純石けんや独自に調合したアロマオイルなど、天然素材を使うことにこだわった商品開発をしています」
烏山氏にはもともとそうした本物志向の考えがあったが、それをより加速させたのが子どもの誕生だった。

「子どもの肌はやわらかく敏感なので、子どもに使うものはできるだけ天然素材のもので、肌にやさしいものを選んであげたいと思ったのです。それで子ども用のおむつを探していたのですが、国内のメーカーにはなかった。海外のメーカーをあたってようやく見つけたのが、アメリカの『Seventh Generation』というブランドでした」
「Seventh Generation」とは、アメリカの先住民族であるイロコイ族に古くから伝わる言葉で、「どんなことも7世代先のことまで考える」という意味がある。この言葉に深い感銘を受けた烏山氏は、これまで以上に地球の環境問題に関心を寄せるようになった。

「子どもの顔を見て、ブランド名の由来を読んでいたら、きれいな地球環境を次の世代に残すのは私たち大人の仕事だと考えるようになりました。赤ちゃん用の天然素材で作られた純石けんなら、水で分解されるので海を汚すことはない。そこから大人用も同じ素材で作れないかと思い至り、人にも環境にもやさしい商品開発を志す大きなきっかけとなりました」
しかし、いくら素材が良くても、使い心地や洗浄力が悪くては誰も買ってくれない。商品化にあたっては開発メーカーとともに試行錯誤を繰り返した。
「原価ありきではなく『本物』を作ることにとにかくこだわりました。ZIGENを使っていただくお客様ご自身が次の次元へとステップアップしていただけるように。当社のブランド名にはそんな思いが込められています」

すべての商品が環境にやさしい素材で作られて、皆がそれを使うようになればいい。しかし、人の意識を変えるのは容易ではないと烏山氏は言う。
「化粧品でも食べ物でもからだに良いものを取り入れるといった意識やエコに対する意識は女性の方が比較的高いと感じる。ZIGENの商品を通して男性の意識を高めることができたら、もっともっと世界は良くなっていくはず。特に顧客のメインターゲット層である20代、30代はこれからの時代の主役で、デジタルネイティブ世代特有の柔軟な思考を備えている。私は大人として、一人でも多くの若者に『本物』を伝えていきたいと思っています」
その思いを次の世代へ、またその次の世代へ引き継ぐために――。烏山氏の挑戦は続く。

烏山友幸

ZIGEN株式会社 代表取締役
https://www.zigen-shop.com/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。